この作品はいかがでしたか?
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「お久しぶりです、社長。ダズさんも」
「…あァ、久しぶりだな」
「お久しぶりですね」
約束された島で待機すること3日後、クロコダイルとダズと無事に合流を果たした。
「早速なんですが、ここに来るまでに集めた情報を貰ってもいいですか?」
「あぁ、構わねェが……その前にひとつ聞かせろ」
「はい?」
「お前、海賊になったのか?」
「…………いえ、なってませんが」
「じゃあこの手配書はなんだ?」
クロコダイルが見せたのは緋の狐、俺の手配書。ハートの海賊団のつなぎを着ていて、傍から見ればハートの海賊団のクルーだと思われることだろう。俺はしっかりと訂正することに。
俺1人では厳しい海を渡れないこともあるので、友人関係にあるハートの海賊団の船に乗っていた。ちょっと違うかもしれないけど、まあ大体そういうことだし。そう説明すると、クロコダイルは鼻を鳴らしてから俺の話を信用してくれた。
「まぁいい。現時点で俺が集めた情報はこれだ」
ぽいっとクロコダイルが紙を放り投げる。俺はそれを受け取って、中身を確認した。
そこには、人造悪魔の実『SMILE』についての情報が書かれていた。だがクロコダイルが持ってきてくれた情報はまだ少ない。俺はローに頼まれたのだ。もっと深くまで探らないと。
「悪魔の実を食すことによって得てしまうデメリットは海に嫌われカナヅチになる、海水じゃなくても、水が溜まっている場所全般がダメなんですよね? 風呂とか、プールとか……」
「よく知ってんじゃねぇか。まァ他にも能力によっては様々な弊害があるみてぇだがな」
「そうですね。能力同士の上下関係とか、相性とか……。でも『SMILE』はゾオン系しか再現できていないようですね」
少ない情報を見つめながら、俺はどこから手を付けるべきかを考える。やっぱり製作者であるシーザー・クラウンをあたるべきか。元になる技術はベガパンクだったはずだが、そこから人造悪魔の実『SMILE』にしたのはシーザーだ。
「……俺、シーザーについての情報を集めることにします」
「そうか」
「ではしばらく、船にお世話になります。社長」
「あぁ。それはいいが、〝社長〟はもうやめろ。バロックワークスはもうねぇんだ」
「あ、そう、ですか。じゃあ、えっと……クロコダイルさん」
俺が名前を呼ぶと、クロコダイルは満足そうに笑みを浮かべた。
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