︎︎ ︎︎
「 あ 、 緑 、 おはよ ~ 」
教室に入ると 、 桃桃が小さく手を振って挨拶をしてくれる 。
「 桃桃 、 おはよ ぉ 」
俺は少し甘える様な声で桃桃に挨拶を返して 、 桃桃の隣の席に荷物を置く 。
「 桃桃 、 今日の英語の小テストの勉強した ~ ? 」
「 … うげ 、 忘れてた … 」
「 んふ 、 やっぱり 、 ? じゃぁ 、 俺が ____ 」
「 昼休みに黄に教えて貰おうかな ぁ 」
桃桃の呟きが耳に入った途端 、 俺は
『 俺が教えてあげようか ? 』
という言葉を飲み込んだ 。
… 俺と桃桃は 、 1年生の頃からずっと同じクラスだった 。
親友 、 と呼べるくらいには仲が良かったし 、 ずっと一緒だった 。
“ 親友 ” ____
なんて嫌な響きなのだろうか 。
いくら望んでも 、 それ以上の関係にはなれないのだから 。
絶対に黄ちゃんより 、 俺の方が桃桃のこと好きなのに 。
それなのに 、 桃桃は黄ちゃんのことが好きだと言う 。
俺の気持ちも知らずに 。
「 後輩に教わる先輩ってださくないかな ぁ … 」
なんて呟く桃桃に 、 俺は
「 黄ちゃんならそんなこと気にしないよ 」
と返す 。
いくら桃桃が黄ちゃんのことを好きでも 、 それでも俺は桃桃のことを目で追ってしまう 。
だって 、 好きだから 。
たとえこれが 、 叶わない恋だとしても 。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!