テラーノベル
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「…さいあく。」
起きてすぐにわかった。
体調を崩した。
吸血鬼だから体は人間より強いため、体調不良なんぞ滅多にならないのだ。
最近血を飲んでいなかったからか、体が人間に近づいているのかもしれない。
体温を測るとそこには38.4という数が。
魔界に住んでいた頃は皆優しく、タオルだのバケツだのを用意してくれていた。
だが人間界に来て初めての体調不良で、まず何をすればいいのか、そして誰に頼ればいいのかわからなかった。
「かなえよぶか…」
ひとまず恋人に頼ることにする。
電話をかけようとスマホを手探りで探す。
…と、例の恋人から電話がかかってきた。
丁度いいなと思いつつ、その電話にでる。
「あ、もしもしくずはー?」
「…ぁに」
「今明那の家なんだけど、明那が熱だしちゃってて。」
「…ぇ、あ、ぅん、」
「冷えピタとかスポドリ買ってきてくれない?あとでL⚪︎NEで買う物送るから!」
「ぇ、でもおれも」
言い終わる前に電話は終了。
なんでそんなタイミングわりぃんだよ。
てかなんで三枝師匠の家いんの?
俺恋人だよね、意味わかんない。
込み上げてくる涙をこらえ、 こうなったら買うしかない、と思い悲鳴を上げている体に気づかないふりをしながら支度をする。
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途中、よろけてぶっ倒れそうになったがなんとか叶の家の前まで着いた。
あとはこれを届けるだけ。と自分に言い聞かせながらインターホンに手を伸ばす。
「あ、葛葉ー!やっときたー!おそいよぉ」
「……そり」
「ありがと。よし、風邪うつっちゃうからもう帰りな?」
「…おけーぃ」
帰ろうと足を踏み出そうとしたところ、叶の後ろからひょこっと顔を出した三枝師匠と目があった。
「くずはくん…、ありがとう、ごほっ、」
「いや、べつに」
「あー!くずはぁ!冷えピタ入ってないじゃん!」
「まじ…?今から買ってこよーか…?」
「いや、もういいや。 」
「本当お前は役立たずやなぁw」
いつものふざけた言葉、そんなの間に受けるものじゃない。
わかってる、わかっているのだけど。
その矢は今の状態の自分の心に突き刺さったまま抜けないのだ。
「……ごめん。」
「え、いや、ちょっ、ごめっ、」
「じゃあねぇ、」
俺はもつれる足を無視して、叶の家を飛び出した。
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無我夢中になって自分の家に帰ってきて。
倒れるようにベットに横になった。
熱を測ると39.2°まで上がっていた。
ひとまず落ち着こうと水を取ろうとしたが、さっき自分用に買った水は全て叶に渡してしまった。 なにもかも上手くいかないことに腹が立って、いつのまにか涙が溢れていた。
「う”〜ッ、ふっ、あ”〜」
最後に泣いたのなんて遠い昔で、泣き方もヘッタクソで、ガキみたいに泣いてしまう。
止めようと思ってもどんどん出て来て、もうよく分かんなくなって、思考も上手く纏まらない。考えたくないことを考えてしまって、涙は止まるどころか増えてる気がする。
意識が朦朧としてる中、インターホンがなったと同時に聞き覚えのあるこれが聞こえた。
少し間延びした声は、確かに俺の恋人のもの。
上手く纏まらない思考を何とかしようとするが、やはり頭は上手く回らない。今はアイツに会いたくない。会ったらきっと変なことを口走ってしまう。
居留守をかまそうとしていると、ドアの方から鍵を開ける様な音がした。俺が前に渡した合鍵で開けやがったのだ。
アイツの足音が此方に近付いている。ヤバい、早く泣き止まないと、何て思っても、俺のバグった涙腺は止まる事を知らない。必死にジャージの袖でガシガシと目元を擦る。
俺の寝室の部屋の扉が開いた。
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今思えば不自然なところはいくつかあった。
ワンテンポ遅れる返事、ふわふわと寝起きのような声。
いつもだったら煽るとその持ち前の語彙力で散々煽ってくる筈が、今日は1度も返されていない。
明那のことで必死で恋人の体調に気づかなかった。 自分だって辛い状態なのに買い出しに行ってくれた葛葉に酷いことを言ってしまったと後悔した。
明那のことはふわっちに頼もう。
「ふわっち!僕ん家きて!明那の看病頼む!鍵開けとくから勝手に出入りして!」
「え?なに?どゆこと?ちょm((
まあ伝えることは伝えたから問題ないだろう。
いやふわっちはまずいか?まあいいや。
じゃなくて問題は葛葉、早くアイツの家に行かないと。
やっと着いた。普段から筋トレはしてる筈なのに走ると意外と息が上がる。
速攻で鍵を開けて「くずはー」と呼びかける。
……泣き声?
泣いてるかも、早く行かないと。
泣き声のする部屋の方へ行き、ドアを開ける。
そこにはやはり泣いてる葛葉がいた。
「葛葉!ごめんね。さっき酷いことを言った。」
「う”ぁ”ーッ、や”ッ、っふ」
「そんなに目擦っちゃいたいよ、ね?」
「う”ぅーッ、や”ぁッ、」
葛葉の腕を優しく掴んで顔から離す。
力が入らなかったのか、意外にもすんなりと離れた腕を退かし、葛葉の顔を見る。
「ほんとごめんね」
「ん”ッ、っふ」
「おいで?寂しかったでしょ。」
そういうと勢いよく抱きついてきた葛葉の体を、これでもかというほど抱きしめた。
体熱いな、ほんとに高熱ありそう。
こんなに泣いてるからもっと体調酷くなってそうだ。ひとまず寝かせよう。
「くずは、そんな泣いてちゃ辛いでしょ。おいで、ぎゅーしよ。」
「ん”っ、かなえっ、」
「どしたのくーちゃん。」
泣くととことん甘えてくる恋人が可愛くて口付けをする。
「きらい”になったッ、のかとおもった”ッ、」
「嫌いになんてならないよ、大丈夫だよ。」
「ん”ッ、おれのことすき?」
「ふふっ、当たり前。」
_____世界いちだいすき。
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なんか途中まで良かったのに最後納得いってない。
思いのままに書くってこんなに難しいんだなということを実感しました…。
チャットノベル?で書いた方がみんな見るのかな?でもいざ書いてみたらすっごい難しいの。
発言した言葉だけで話を進めていくから
「今どんな状況。」みたいなのを書けないの。
すっごいむずかしいねぇ。
みてくれてありがとうございました!
次も楽しみにしてください☺︎
#ChroNoiR
コメント
2件
わお!普通に最高!こういう感じめっちゃ好きです!