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自分の部屋に戻ると、ほっとしたような、胸がざわつくような気持ちが同時に押し寄せてきた。
窓の外からはまだイルミネーションの光がかすかに見えている。
(……夢みたいだった)
悠真と手を繋いで歩いたこと。
抱きしめられたこと。
そして――あの、初めてのキス。
思い出すたびに、頬が熱くなり、胸が高鳴る。
「……悠真さん」小さく名前を呼ぶと、なんだか涙が滲んできた。
嬉しくて、幸せで、少しだけ照れくさい。
けれどもう後戻りはできない――そう確信して、咲は布団の中に顔を埋めた。