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翌朝 1-A教室朝のホームルーム前、教室はまだざわついていた。
「ねー斎藤ォ〜!」
突然、甲高い声が響いた。
翼が顔を上げると、そこに立っていたのはクラスのギャル・グループの中心、彩花だった。
山姥メイク全開の派手な顔。
長いつけ爪がキラキラ光り、制服のスカートは短めにロールアップ。
圧がすごすぎて、思わず同級生なのに敬語が出てしまう。
「えっ、も、もちろんです! ルールも教えます!」
彩花は机に両手をついて、翼の顔を覗き込んだ。
「マジ? アツいじゃーん!
他のクラスのダチも連れてくわ⤴︎
持ち物何? 内輪もってけばいいの?」
翼は慌てて手を振った。
「あ、メガホン用意してるからそれ当日渡すね!
球場屋根ないから日傘とか飲み物とか……
あと、熱中症対策で塩飴も持ってきます!」
彩花は一瞬キョトンとしてから、
大声で笑い飛ばした。
「黒ギャルナメんなって!
天然の日サロとか超アツいじゃんww
ギャハハ!」
周りの女子たちが「マジうける〜」「彩花やばwww」と笑いながら集まってくる。
翼は顔を真っ赤にしながらも、一生懸命説明を続けた。
「え、えっと……あと、横断幕も作る予定で……
みんなで書くの、手伝ってくれたら嬉しいです!」
その様子を、教室の後ろから見ていたタクと勇人が小声で話す。
タク「……ギャルに絡まれてる……笑」
勇人「昔から翼のところには人が集まるんだよな〜。
あいつ、放っておけないオーラ全開だから」
タクは腕組みをして、苦笑いしながらも目が優しい。
「まあ……翼が楽しそうならいいけど」
勇人はニヤニヤしながらタクの肩を突っついた。
「タク、ちょっと嫉妬してる?」
「……うるせえ」
タクは翼の方をもう一度見て、
小さく息を吐いた。
翼はギャルたちに囲まれながらも、
一生懸命メモを取ったり、説明したりしている。
その姿が、なんだかとても眩しくて。
(……お前は本当に、変わんねえな)
タクの胸の奥が、温かくなった。