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君だけを見ていたい
第1章転校生と優しい先輩
春。
桜の花びらが舞う校門を、ふうかは少し緊張した様子でくぐった。
今日から通うことになった、新しい学校。
「……大丈夫。ちゃんと友達を作らないと」
小さく呟きながら教室へ向かっていると、廊下の角から誰かが歩いてきた。
「おや……?」
優しい声。
振り向くと、柔らかな笑顔を浮かべた男子生徒が立っていた。
「もしかして、今日からこちらの学校に通われる方でしょうか?」
「あ、はい。ふうかっていいます」
「そうでしたか。私はベリアン・クライアンと申します」
ベリアンは穏やかに微笑んだ。
「もし学校のことで分からないことがあれば、いつでも聞いてくださいね」
「ありがとうございます!」
その笑顔を見た瞬間、ふうかの緊張が少しだけほどけた。
それからベリアンは、教室の場所や校舎のことを丁寧に教えてくれた。
「ベリアン先輩って、すごく優しいんですね」
ふうかがそう言うと、ベリアンは少し驚いたように目を瞬かせた。
「そうでしょうか?」
「はい。なんだか安心しました」
「……それなら、よかったです」
その日から。
ふうかとベリアンは、少しずつ言葉を交わすようになった。
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コメント
1件
「ベリアン先輩ってすごく優しいんですね」——この言葉に対する「そうでしょうか?」の返しが、ちょっと気になりました。自分では優しいと思ってないのか、あるいは別の理由があるのか。第一話としては丁寧な導入で、ふんわりした春の空気と不安を抱えたふうかの心情がうまく重なっていて、とても読後感がよかったです。二人の距離がこれからどう変わっていくのか、楽しみにしてますね。