テラーノベル
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珍しく朝早くからきていた俺は教室にも向かわずある場所へ向かった。その場所とは、職員室だった。学校に向かっている最中、先生の車が停まっているのを見て、早く話がしたいという思いでここまで走ってきた。職員室に入ろうとしたが何やら話し合ってる声が聞こえ俺は耳を澄ませる。
「────僕から言っておいたんですよ、今後一ノ瀬先生と2人きりで話さないようにと。そしたら本人に確認する!って言い出して走り去ったんですけど」
「…その様子じゃほんとに話してなさそうですね」
青葉先生の声だ。話の内容的に多分、昨日の俺のことだろう。
「ちょっと待ってください、俺そんなこと頼んでないです。これは、俺と月城くんの問題です」
「でも貴方1人で解決できる問題ですか?無理でしょ」
圧をかけ、先生には無理だと言わんばかりに押し返されていた。でもこれで分かった。
「先生はあんなこと言ってない。」
あの人が勝手に言っただけだ。良かった。
「いっその事担任を外してもらった方が…」
は?担任をはずれる?いや、青葉先生にそんな権限ないはずだ。この先生も勝手だ。みんなそうだった。
「一ノ瀬先生もその1人なのかな、」
勝手に考えて落ち込んではその場にへたれこむ。
「いい加減にしてください!!」
今までは耳をすませば聞こえる程度だったが今回ははっきり聞こえた。一ノ瀬先生が怒鳴った声が。
「これ以上、あの子たちを不安にさせるような行動取りたくないんです!分かってます、それが最善策なのは。でも、あの子たちが大人を信じなれなくなる…!」
「教師は、生徒たちを守る立場です。なのに今彼らを傷つけている、そんなの許されるわけないんですよ」
「俺はこの学校のやり方、まだ認めてませんから」
先生が扉に向かって歩き始めたのがわかった途端俺は即座に荷物を持って教室へ戻った。話しかけたかったが、知りたいことは知れたから。
「…だから好きなんだよ」
分かってる。あんなこと教師が生徒を思っての言葉なのも。でもそれが嬉しかった。今まで俺のクラスのことを思って尽くしてくれる人なんて居なかったから。熱心なところも、生徒を思って動いてくれるところも、人の中身を見ようとしてくれるところも。
「全部好きなんだよ、」
昨日の先生の言った通り、生徒が教師に恋なんてありえない。その通りだ。でも俺は今までクソみたいな教師しか見てこなかったから。世界を狭めてきたのは学校側だから。見ようともしなかったものをあの先生は見せてくれる。考えれば考えるほど、先生のことを好きになっていく。そんな自分が少しだけ、ほんの少しだけ、好きだった。
「えー、今回のテスト、赤点の人は補習があるので残ってくださいねー」
物理の先生は厳しい。ほかの先生は小テストで済ませてくれるものをあの先生は100点満点でテストを受けさせてくる。もはや小テストじゃないだろ。
「…最悪だ」
なんとギリギリの29点。あと一点あれば回避できてたのに。
「今日残ってもらうんですけど、残念ながら私は用事があるので」
またかよ。いつもそうだ。残らせておいて自分は残らない。だいたい手の空いてる先生に代役を務めさせる。教師として終わってんだろ。
「えー、でね、代役として一ノ瀬先生を呼んでるんで、質問あったら一ノ瀬先生にするように」
「え」
反射で思わず立ち上がり、先生の顔を見る。
「なんだ?なにか質問か?」
「…なんでもないです」
「はい、えー、では今日は──────」
先生と補習ができる。あわよくば先生と話せるチャンスかもしれない。
「やった、」
「……」
「ねえ、月城くん」
隣の女子に急に話しかけられ、気のない返事をする。
「月城くん赤点?」
「そうだけど」
「私もなんだよねー、ね、良かったら物理教えてくんない?」
此奴頭おかしいのか?なんで赤点のやつに教えてもらおうとしてるんだ。
「なんで俺なの?赤点じゃないやつに教えてもらえよ」
「あそっか、じゃあさ!月城くんの得意な教科教えてよ!」
「なんで言わなきゃ行けないの?」
「私ほんとに馬鹿なんだよ〜教えて欲しいなって」
「補習ではどの道物理しかしない。なのにどうやって教えるんだよ」
「んー、放課後とか!」
「お前に使ってる時間ない」
我ながら辛辣な返事だとは思うが興味もないし名前も知らないしどうでもよかったので気にしないことに。
「月城くん英語得意じゃなかったっけ!」
それでも問答無用で此奴は話しかけてくる。
「…だったら何」
「お願い!教えて!」
「むり、他当たって」
「ねー、なんでそんな冷たいの?あの人の前ではデレデレな癖に」
「…」
これだから女は嫌いだ。本当面倒臭い。此奴の言ってるあの人とは、一ノ瀬先生のことだろう。
「お前には関係ない」
「私に関係なくても、あの人が困るんじゃない?笑」
「…どういう意味だ」
「だってー、生徒が教師に恋してるとか知られたら担任外されるどころかどっか違うところに飛ばされるんじゃない?笑月城くんのせいで」
俺のせいで先生が飛ばされる?…そんなの嫌だ。
「そんなの嫌だって顔してるね」
まるで俺の心を見透かしたように俺の考えてることを当ててくる。
「じゃあさ、そんなやつやめて私にしなよ」
本当に頭おかしいのか此奴。どうしてそういう考えになるんだ。それでも、俺の出した答えの方が頭がおかしかったのかもしれない。
「…考える」
「俺はこの学校のやり方、まだ認めてませんから」
一ノ瀬先生に言われてからずっと響いている言葉。あの先生は間違ったことは言っていない。ただ僕のやり方と彼のやり方はあまりにも真逆だからだ。彼は生徒のことを第1に考えている。でも僕は、生徒のことを第1に考えることなんてできなかった。月城くんがどうとかではなく、生徒のことを第1に考えてるからこそ出てくる言葉なのは間違いなかった。
「…これは、完全に僕が悪いですね、笑」
彼の気も知らないで、期待させるくらいなら担任をはずれた方がいいという思いで言ったつもりだったが彼も彼なりに考えていた。僕の考えも、否定したわけじゃない。受け入れた。それでも、生徒をこれ以上失望させたくないと、そういった。
「僕と彼では覚悟が違うんだ、」
そういえば僕は、なんで教師になったんだっけ。学校が安心できる場所じゃ無かったから。居場所を作りたかったから。なのに今は、僕が生徒の居場所を潰している。
「何やってんだよ…」
皮肉なことに、僕は自分を守るために、誰かを切り捨てていた。
閲覧下さりありがとうございます。
1つ質問があるんですが、ttjpかyajpどっちの方が多くみたいですか?良ければ教えてください。
コメントなければ今まで通り同等にします。
コメント
6件
わぁ!!またもや素晴らしい展開に、、、!🥹💕ありがとうございます😭✨ 私はyajpの方が好きですかね...(あくまで個人の考えです) これからも応援してます!!(2日間旅行に行くので2日間だけ見れません😭すみません🙇🏻♀️)
個人的にはyajpです!ᴗ ᴗ 主さんのかき方本物の小説みたいで大好きです🥹💞 活動頑張ってください💪🏻
ttjpが見たいです❣️ めっちゃ物語の書き方とか好きです💗物語が上がるの毎日楽しみにしています🫶これからも頑張ってください😘👊