テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメントしてくださった方々ありがとうございます。
yajpもttjpもみたいというコメントあったので、なるべく多く出していきます。
「はぁ…」
なぜため息をついてるかと言うと、これから補習の子達を見守らないといけないからだ。物理の先生に押し付けられ、断るのも癪だなと思い受け入れたが後悔している。
「何が気まづいかってあの子がいるんだよな…」
誰が補習を受けるかは事前に知らされている。正直補習だから分からないところを聞かれたらさすがに答えなきゃならない。ずっとため息をついてても仕方ないと思い教室に入る。そこには数十人の生徒が集まっていた。
「言ってた通り補習するんでプリント回してください」
数十人ではあるが大体は固まってくれてるのでプリントは渡しやすかった。
「じゃあ45分間あげるんで、わかんなかったら聞きに来てください」
各々がペンを走らせる。別にテストって訳ではなく復習という感じだから俺に聞かなくてもわかる人はわかる問題だと思う。そこで俺が目に入ったのはゆあんくんだった。彼はどうやら女子生徒と一緒に解いてるみたいだ。
「ねえねえゆあんくん、ここ教えてよ〜」
「…ここはこの公式使ったらいける」
「頭いいねゆあんくん」
やはり彼は頭がいい。なのに何故補習なんかに。この前俺が作った小テストではほぼ満点に近い点数をとっていた。俺もただ45分間見守るだけじゃ退屈なので物理のプリントを解くことに。
「ここは?」
「俺も分からんかった」
「じゃあ一ノ瀬先生に聞いてこよ〜」
「俺が聞いてくる」
「いいよ私行くよ、先生もゆあんくんと話すの気まづいだろうし笑」
「……」
「せんせ〜」
「どうしたの?」
「ここわかんないんですけど〜」
「これ難しいよね、これはね、運動方程式がF=maじゃん?だから─────」
「すごーい!先生の説明分かりやすい〜ありがと〜!」
「どういたしまして笑」
こういう何気ない一言が地味に嬉しい。
「ゆあんく〜ん、私分かったよ!これはね〜?」
隣の佐伯さんが話しかけているのにゆあんくんは急に席を立ちこちらへ向かってくる。
「ちょ、ゆあんくん!」
「先生」
「どうした?何かわかんないところあった?さっき佐伯さんに教えたから…」
「俺がわかんないところそこじゃないんで」
「どこがわかんなかった?」
「…ここです」
「…!」
「これ大学レベルの問題だね、無理に解かなくていいよ。ほら、ここにチャレンジ問題ってあるし」
「解きたいんです」
「…分かった」
「ここまでできたんだね、じゃあこの式を変形させて、こうなるのはわかる?」
「…はい」
「そしたら文章中にあった────」
「答え出た?」
「x=Ft2mになりました」
「すごい…合ってるよ」
「みんなに教えてあげて」
「ゆあんくん!大学レベルの問題分かったの?教えてよ〜!」
長いこと前で問題を解いていたため待ちくたびれたのか佐伯さんが前にやってきてゆあんくんの肩に体重をかける。
「…なんで来たんだよ」
「だって〜、長いんだもん!待ちくたびれちゃった」
「別の問題解いとけよ」
「わかんないんだもん」
「ね、席戻ろ!」
「…せんせ、ありがと」
「いえいえ〜」
正直佐伯さんがゆあんくんのこと好きなのは誰が見てもわかるレベルだ。だからこそ気まづい。多分佐伯さんの反応見る限りゆあんくんが俺のこと好きなことを知っているのだろう。そんなことより、
「あそこまでか…」
ゆあんくんは桁違いに頭がいい。さっきも少し教えただけで答えまでたどり着いた。なのにどうして彼の成績は悪いんだろうか。今までの担任が悪すぎたせい?そのせいで真面目に勉強をしなかった?いや、それだけじゃない気もする。何か、別の理由もある気がする。
教室の扉をノックして入ってきたのは青葉先生だった。
「一ノ瀬先生、少し、いいですか」
「…はい」
正直話したくもなかったがさすがにみんながいる前で断る訳にも行かない。これは嵌められたな。
「なんですか」
「今朝のこと、謝りたくて」
「え?」
「僕、今まで自分さえ良ければどうでもいいって思ってたんですけど、一ノ瀬先生の覚悟を見て僕も変わりたいって思って…」
「あの後ずっと響いてたんです、一ノ瀬先生の言葉が」
「はあ…」
「この学校のやり方はおかしい。言うまでもなくそうなんですけど今まで現実を受け入れたくなくて…」
「あなたの教員としての覚悟は本当に素晴らしいものだなって」
「ありがとうございます…」
褒められているはずなのに何故かあまり嬉しさが込み上げてこなかった。
「今更言ってもダメかもしれませんが…この学校のやり方、絶対変えましょう」
「…いいですよ、別に許さないとは思ってませんでしたし」
「殺すとは思ってましたけど」
「ひどい!?」
「青葉先生って面白いですね笑」
「だから生徒から好かれるのか…」
「貴方の方が好かれてますけどね」
「…良ければ下の名前で呼んでもいいですか?」
「いいですよ」
「じゃあじゃぱぱさんで!」
「先生つけないんですね笑」
「なおきりって呼んでください!」
「分かりました、なおきりさんですね?笑」
「敬語もなくしましょう!」
この人は多分悪い人ではないんだと思う。ただ俺の考えとなおきりさんの考えは真逆だっただけだ。仲良くなるとグイグイ来るタイプだ。仲良くない時もグイグイ来てたけど。
「分かった笑よろしくね、なおきりさん」
「よろしくお願いします!」
敬語をなくせと言ったのはそっちなのになおきりさんは敬語を外す気は一向になくて笑った。
「早速なんですけど────」
「先生」
教室の扉がガラガラと開き、そこにはゆあんくんが立っていた。
「どうしたの?」
「わかんない所、教えてください」
「…行ってきてください」
「また後で話そ」
「はい!」
「どこがわかんないのかな?」
先生と月城くんが一緒に教室に戻っていく。独占欲が丸見えだ。僕に先生が取られると思って質問しに来たのだろう。
「…もし先生に恋人がいるって知ったら、彼はどういう反応するのかな」
諦めた方がいい恋もあるってことを、彼はまだ知らない。
今日は帰りが遅くなるみたいなので今は夜ご飯を作っている。
「ただいま〜」
玄関からそう聞こえてきてキッチンから顔を出す。
「遅かったな、夜ご飯もうすぐ出来るで」
「ごめん、最近たっつんに作らせてばっかだよね」
「俺料理するの好きやから全然ええで笑」
「今日は?なんかあった?」
「特になかったよ、補習があって、ちょっと教えたくらい」
「ゆあんって子に?頭ええんやろ?」
「そうなんだけど〜何故か赤点だったんだよね」
「…ゆあんくんって補習の先生がじゃぱぱってこと知っとったんか?」
「テスト終わってから伝えられたと思うよ。だから俺がいるから赤点とったとかではないと思う」
「なら良かった」
「それよりいい匂いする〜天津飯?」
「そうやで」
「…じゃぱぱ」
「なに?」
「んわ、っ!」
不意をついたハグをする。俺はこれをするのが好きだ。じゃぱぱの反応が可愛いから。
「卵焦げちゃうよ」
「タイマーしとる」
「そういう所は準備いいんだから」
「ちょ、嗅がないで、!汗臭いよ」
「いい匂いする」
俺はこれをじゃぱぱ吸いと呼んでいる。猫吸いみたいな。何故かいつもいい匂いがする。汗臭いと感じたことはない。
「ちょ、くすぐった…」
俺が首あたりをずっと匂ってるからか甘い声を漏らすじゃぱぱ。
「たっつ…、!」
さすがに押し退けられ、切れた息を整える。
「せめてご飯食べた後にして!!」
「ご飯食べた後だったらやってもいいん?」
馬鹿なこと言ったと言わんばかりの顔をしたので俺はじゃぱぱの揚げ足を取るかのように
「明日休みだもんな」
「え、いや、ちょっとま…!」
「待っては沢山聞いた、もう待てない」
「あーもう!!分かった!分かったから!」
諦めたかのような言葉を吐き、少し俯いてから顔を上げる。俺から見たら上目遣い状態だ。
「優しくしてね、?」
その言葉を聞いて優しくできる男がいるのかという疑問を抱きながらじゃぱぱを抱いた。そして朝しっかりと怒られたのであった。
コメント
2件
今回の物語も最高でした🫶💖 ttjpの絡みをにやにやしながら見てました笑noさんとjpさんが和解してよかったです❤️🔥