テラーノベル
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美しいピアノの音に引き寄せられるように音楽室へ向かった
「ドビュッシーの月の光だ。」
「なんか、懐かしい感じがする。」
ドアからこっそり音楽室を覗いてみると、1人の男の子がピアノを弾いていた
「綺麗な人だな。」
「青いネクタイだから、2年生か。」
時間を忘れてしまうほど美しい音色。気づいたら、ピアノの音が止まっていた。
「あれ」
「1年生かな?」
「はい」
「すみません、勝手に聞いちゃって。」
「全然大丈夫だよ。」
「そんな大したもんじゃないからさ。」
そう言って自嘲するように彼は笑った
「そんなことないですよ!」
「先輩の音色に惹かれてここに来たんです。」
「ありがとう。」
「明日もここに居ますか?」
「いや、明日は居ないな。」
「今日は吹部が部活休みだったから音楽室を借りてただけなんだ。」
「そうですか。」
「また来週来るから。」
「聞きたかったら、来て良いよ。」
「絶対に行きます。」
「そしたら、俺は帰るかな。」
「またね」
そう言って彼は帰っていった。
「すごく綺麗で良い演奏するのに。」
「でも、本当に音楽が好きなんだろうな。」
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