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「…ymmtさん、起きてます?」
「…んぇ?起きてるよ…」
クイ研サークルの7人でキャンプ合宿中。
外は真っ暗な中、テント内でランプを灯して2人で寝転がっている。
僕たち以外のメンバーは、外に星を見に行った。
僕たちは荷物番を任されており、みんなが帰ってきたら後で行く。
大自然の中、ぼんやりとした灯りを横に置くと、すぐに眠くなってしまうため、時々声をかけ合う。
「…ymmtさん、絶対寝てるじゃないですかw」
「寝てねーしー…」
そう言いながら、彼はゆっくりと目を閉じた。
ymmtさんの寝顔、可愛いなー…。
コオロギの鳴く音が、彼の柔らかな表情を引き立てている。
しばらくすると他のメンバーが帰ってくる足音がした。
慌てて起き上がって、ymmtさんを起こす。
「ymmtさん、星、見に行けそうですか?」
「…ん、行こう…」
まだ頭がぼーっとしているようだが、ymmtさんも星を見るのを楽しみにしていたため、寝かせておく訳にはいかない。
メンバーがテントに入った後、僕らは外に出た。
山奥の夜は少し肌寒い。
2人で1枚のブランケットを羽織って、肩を寄せあって歩く。
「…このへん、星見やすいですね。」
星が綺麗に見える位置にベンチがあった。
並んで座り、空を見上げると、星屑が散らばっていた。
「…gnちゃんも、星好きなの?」
星が反射した彼の瞳は、僕を見ている。
「…好きです。」
僕も目を合わせる。
3秒後、何も言わずにまた2人とも空を見上げた。
「…ymmtさん、僕は星よりもymmtさんのことが…」
「…あっ!流れ星!今見たー?!gnちゃん!」
星空を見上げながら、顔も見れずに告白しようとした僕とは裏腹に、彼は流れ星を見つけてすぐ、嬉しそうに僕の顔を見た。
アンドロメダ座は、2人の緩やかな時間を見守っていた。