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午前0時の告白

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午前0時の告白

7 - 第7話

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2025年07月22日

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「……なあ、今日って、0時まで起きてられそう?」

夜のソファ。

隣に座るいふが、ふと聞いてくる。


「うん。起きてられるよ。……でも、今日はね」


初兎はクッションをぎゅっと抱きしめて、いふの目をまっすぐ見つめた。


「……0時まで、待たないでほしい」


いふが、目をぱちりと瞬く。


「……本音、今から言うの?」


「うん。……0時じゃなくても、伝えたいなって思ったから」


心臓がうるさいくらいに鳴ってる。

舌がからからで、手のひらも少し汗ばんでる。

でも、それ以上に——今、ちゃんと伝えたいと思った。


「俺さ、ずっと……“あの時間”に頼ってたの。0時になれば、勝手に本音が出るから。恥ずかしくても、自然に言葉が出てきたから」


「でも……最近、それがズルく感じるようになったんだ。

まろちゃんは、ずっと自分の意志で言ってくれてたのに、俺だけずっと甘えてたなって」


いふは黙って、初兎の話を聞いていた。


「だから、今日は、自分でちゃんと言うね。……あのね、まろちゃんのことが、すごく、好き」


「0時じゃなくても、ちゃんと好き。誰に何を言われても、俺が選んだのは、まろちゃんだって、自信持って言える」


言い終わった瞬間、初兎は思わず目をぎゅっと閉じた。


(うわああああああ……もう無理……)


でも——


「……初兎」


その声は、驚くほど優しくて、震えていた。


目を開けると、いふが少しだけ目を潤ませて笑っていた。


「俺、今まででいちばん嬉しい。……0時でも、0時じゃなくても、俺に向けてくれる言葉なら、なんだって大切にするよ」


「……うぅ、も〜、まろちゃんずるい……」


「じゃあ、今からは毎日“好き”って言って?」


「……は!?」


「朝昼晩と寝る前の4回セットで♡」


「調子乗るなあああああああ!!」


初兎はソファのクッションをぶんぶん振り回した。

でもその顔は、誰よりも幸せそうに笑っていた。





そして、その夜0時。


「ねえ、初兎。今0時だけど、何か本音ある?」


「……今は別にないけど。強いて言うなら、今日の自分、ちょっとだけカッコよかったと思う」


「……うん。めっちゃカッコよかったよ」


いふの返事に、初兎は照れ隠しのようにクッションに顔を埋めた。

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