テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
僕は今日も息をする。
見上げれば白い天井が見える。カーテンから漏れ出す太陽の光は僕には届かない。時刻は10時55分。昼の時刻だ。
「あー。今日も学校に行かなきゃ…」
僕は朝ごはんを食べに部屋を出た。
「おはよう」
そう声をかけてくるのは職員の凪さん。昨日の夜勤の人だ。園にいれば色々な職員が勤務交代で保護者代理をしてくれてる。
「ご飯冷蔵庫にあるから食べてね」
冷蔵庫を見るとプレートに自分の朝ごはんが用意されていた。量は少なめである。
「食べれなかったら残していいよ」
凪さんはそう言ってドタバタと小学生のお世話をしていた。
「ありがとうございます。いただきます。」
いつものように朝ごはんを食べる。やはり食欲は無いが食べないと動けなくなる。授業で習った。
「今日はいつ学校に行く?」
「今日は昼休みにESS部の会議があるのでそれだけ参加しようと思っています。」
「わかった!」
僕は最近不登校になった。初めてではない。
小中の時もなった。そして高校生でも不登校になってしまった。
「(学校の準備しなきゃ)」
ご飯を食べ終え僕は支度を始めた。
8月の昼間は地球温暖化もあり、段々と暑くなっていった。いつものように気分をあげて行くために【ルージュの伝言】を聴きながら歩いた。いつもなら走ってニコニコして行っていたのに、今では足どりが重く、吐き気もしてなかなか前に進まない。かばんには小さい水筒と昼の弁当、筆箱しか入ってないのに重く感じる。
時間は意地悪だ。いつもなら「間に合うかな?」と心配になるのに、今日はすごく早く着いてしまった。時刻は12時20分。昼休みは30分からだ。スマホを取りだしてインスタのリール動画を見る。ギガが無く動画なんてすぐ見れないがタイトル的にいいものにイイネをする。学校の塀の外で日陰に身を隠しながら時間を待つ。
誕生日に貰ったCASIOの腕時計を見るが時間はそんなに進まない。
やっと28分になったところで学校の玄関へと歩き出した。
本校舎は空気が重く気持ち悪い。同じクラスの子に会うのが怖くてしかたない。靴を下駄箱にしまい、ESSの会議が行われる多目的室に向かった。横では購買の販売が行われ、いつクラスメートに見られるかわからない。
そして私は多目的室に駆け込んだ。
重い扉を開けると光が飛び込んでくる。
目が見開けなかった。
桜咲かな
299
#普通
野々さくら
331
雪3号
55
コメント
1件
第1話読み終わったよ〜。めっちゃリアルな不登校の感覚が伝わってきた…「時間は意地悪だ」ってとこ、すごく刺さった。普通は遅く感じるのに、今日は早く着いちゃうっていう逆説が心情を表してて上手い。凪さんの優しさもほっこりした。最後の光が飛び込んでくるシーン、この先どうなるか気になるわ!続き楽しみにしてる🔥