深夜のバーの一角、珍しく元貴はグラスを重ねていた。
普段はほとんど飲まない彼が、今日は何かを振り切るように酒を煽っていた。
「元貴、大丈夫? 飲みすぎじゃない?」
隣にいた涼架が声をかけた時には、すでに彼の頬は赤く染まり、瞳はどこかうつろで。
「うっ……気持ち悪い……」
か細い声とともに元貴がテーブルに崩れかける。
涼架はすぐに肩を貸し、そのまま元貴の家へ。ふらつく身体を支えながら、彼を浴室へと運び込んだ。
「とりあえずここなら、もし吐いてもすぐ洗えるからね……」
浴室のひんやりとした空気の中、涼架が背中をさすっていると、手首をそっと掴まれる。
「涼ちゃん……行かないで…… 一人にしないで……お願い……」
その一言で、涼架の理性は一気に崩れた。
見上げてくる元貴の瞳は、潤んでいて、どこか色っぽくて。
酔いがそうさせているとわかっていても、その目を見た瞬間、心臓が跳ねた。
「……元貴、そんな顔で見ないで……我慢できなくなる……」
ーー静かに唇を重ねた。
その瞬間、シャワーのレバーに当たった背がずれて、勢いよくぬるま湯が降り注いだ。服越しに染みる水、肌に沿って流れる水滴が、2人の体温を煽るように熱くさせる。
「ん……っ ……く、涼ちゃん……っ、待って……」
元貴の声が震える。だが、その目は“待って”とは裏腹に、もっと触れてほしいと訴えていた。
涼架は濡れたシャツを脱ぎ捨て、次第に元貴の服も手早く剥いでいく。肌と肌が触れ合う度、ぴちゃりと水の音が響く。
「すごい……元貴、感じてる……?」
「……っ、あ……だめ、見ないで……」
言葉とは裏腹に、元貴の体は涼架の手にすがるように震えていた。
そのまま涼架は腰を落とし、熱に濡れた元貴の中心を、迷いなく口に含む。
「んっ……あぁ……!」
浴室に響いたのは、今まで聞いたことのないような声。苦しそうで、でも、どこか気持ちよさそうで。酔いのせいもあり、元貴は普段よりもずっと乱れていた。
舌先が敏感なところを何度も優しくなぞるたびに、元貴の手が涼架の髪に絡まる。
「はぁ……んっ!りょ……ぉちゃ……んっ!!」
濡れたタイルに手をついたまま、腰が震える。涼架の舌が、唇が、喉の奥まで吸いつくように動くたびに、元貴の体は敏感に跳ねた。
彼の指先が何度も足元を掴み直すたびに、その苦しげな吐息は、快楽の淵で揺れている証だった。
「ねぇ、元貴……そんなに震えて……もう、ギリギリなんでしょ?」
囁くような声が、耳元で艶めいて。
「ん、あ、く……っ、やば……っ、イきそう……」
目を閉じても、逃れられない。
絡められた舌の温もり、吸い上げられる感覚、太ももの内側を這う涼架の手。
涼架は顔を上げ、囁く。
「……元貴、俺の顔に、出して。」
最後にぐっと根元まで口に含んだ瞬間、
「……あっ……ん、くっ……イく……っ!!」
喉の奥で噛み殺したような、でも明らかに快感に染まった声が零れ落ちた。
元貴の腰がびくびくと跳ねて、熱い液体が涼架の唇と頬を濡らす。しばらく震えたまま、元貴は天井を仰いで、乱れた息を吐いた。
「はぁ……っ……やば……ごめん……涼ちゃん……」
「……謝ることないよ。むしろ、すごく綺麗だった」
涼架はゆっくり顔を上げ、滴る水と交じり合う白濁を舌でぬぐいながら、いたずらっぽく微笑んだ。
「それに……もっと見せてよ。酔った元貴の、全部。」
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