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その後、なんとかあの部屋から逃げ


私達はまた当てもなく歩き回っていた


「薙刀ちゃん、顔色悪いよ?」


「あぁ?、いや、大丈夫だ、

少し疲れただけ、」


私は鳴り止まない耳鳴りに耐えながら、レインコートにそう返事した


その瞬間


「 あなた 見つける ! 」


「ん?、グベッ!!」


前からそう声が聞こえた瞬間、私のお腹に衝撃が走った


その衝撃で私は床に倒れ、その衝撃の原因は私の胸に顔を擦りつかせている


「お”い”、黒髪、いきなり抱きつくなって、」


「 あなた 見つける ! 怪我 ない ?」


「ない、ないから、” あなた ここ どく ” 」


「 嫌 私 どく ではない 可能 ! 」


「いやまずいってこの体制は、あとレインコート睨むのヤメロ怖えって」


「ずるい、僕は見るだけで怒られるのに」


レインコートは私の背を支えると、黒髪の頭を遠ざけようとした


「お前離れろよ!薙刀ちゃんの胸は僕のモノなんだよ!」


「 彼女 私の ! 」


「、勘弁、、して、くれ、」


私は収まらない頭痛と寒気に包まれながら、意識を手放した


____________



「、ここは、」


目を覚ますと、自分の家の天井だった


「夢、か、」


私はベッドから起き上がり、窓の外を見る


外はまだ闇に包まれており、時計を見るとまだ深夜のようだった


「明日、学校か、」


私はカレンダーを見て、思わずため息を吐きベッドへ寝転んだ


こんなクソみたいな現実世界より、あの夢の方がまだ平和だったかもな、


「、ハハッ、こんな事バレたら殺されっかな」


私は自嘲しながら天井を見つめていると、

玄関からノック音が聞こえた


「?なんだ、こんな深夜に、」


私は冷たいコンクリートの床に足をつき、玄関へ向かう


「はいはーい、セールスはお断りしてますよーっと、」


玄関のドアのチェーンを掛けたまま、鍵を開けた瞬間


「 あなた 見つける 」


「ッ?!」


扉は手で抑えられ、隙間からは赤い髪が覗いていた


「なっ、ケチャップ野郎か?!」


「あなた あなた 見つける 私の ♡ 」


ケチャップの目はもはや正気ではなく、会話は不可能のようだった


私は恐怖のあまり、そのまま床にへたり込んでしまった


コイツ、こんなんだったか、?

いや、もっと友好的だったはずだ、ならなんでこんな、


ケチャップはチェーンに繋がったままのドアを何度も揺さぶっている


「 私 あなた 好き 愛してる

あなた 私 好き 愛してる 」


「ヒッ、!」


ケチャップはドス黒い目をこちらを見つめ、

不気味に口を歪ませている


怖いッ、怖い怖い!!


「ッ、やばい、やばい、!

早くここからっ、」


私がそう呟いた瞬間、扉が歪み

ついにケチャップの侵入を許してしまった


「 あなた 私 怖い ?

あなた  泣く 可愛い ♡ 」


「ヒッ、く、来るな!

”  あなた すべきではない 私 近く 来る! ”  」


私がそう涙ながらに叫ぶと、ケチャップは私の顔に近づき、私と視線が合うようにしゃがんだ


そして私の頬を包むと、目から流れる雫を舌で舐め取り始めた


「 あなた 泣く 可愛い

あなた すべき 私 教える 名前 」


「ッ、や、やめろって、!」


コイツ、やっぱり正気じゃない!


「 あなた 私の 好き  愛してる ♡ 」


「ひぐっ?!」


ケチャップは私の耳を撫で始めた


「やめろって、」


私はケチャップの腹に向けて拳を向け


「 !! 」


「言ってんだろうがァァァァァ!!」


私は思いっきりケチャップの腹に拳を打ち込んだ


________________________


「っは、」


目を覚ますと、汚れたコンクリートの天井が目に入った


「重っ、」


ベッドから起き上がると、布団の中には私の腹を枕に眠る黒髪、私の手と自身の手を絡ませて寝ているレインコートがいた


「、はぁー、マジ怖かった、」


私は冷や汗を拭いながら、ひたすらに安堵した



トラウマリスト


・本気モードのケチャップ


________________



「 惜しい でも 必ず 次 彼女 連れて  行く 」


ひっそりと口角を歪め、怯えて涙を流す彼女を思い出しながら、彼女の様子を見に行こうと歩みを進めた


____________________

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