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GL 創作
葉月 『』 かな 「」
start ⤵︎ ︎
夕方の校舎。
教室には、二人だけ。
「……今日で、ここ最後だね」
かなの声は、少し震えていた。
次の日、葉月は転校する。
『うん』
『でも、最後まで一緒にいられてよかった』
窓の外、オレンジ色の空。
いつも見てた景色なのに、今日はやけに綺麗で、苦しい。
「葉月」
「私さ、強くなったよ」
『……どうして?』
「葉月が隣にいてくれたから」
「一人じゃ、ここまで来れなかった」
葉月は言葉を探して、少し黙った。
『かな』
『私のほうこそだよ』
『かながいたから、笑えた』
『泣いてもいいって、思えた』
かなの目から、ぽろっと涙が落ちる。
「……離れたらさ」
「私たち、どうなるのかな」
葉月は一歩近づいて、そっと手を握った。
『離れても』
『気持ちは、離れない』
『かなは、私の大事な人だから』
その一言で、かなは泣きながら笑った。
「ずるいよ……」
「そんなこと言われたら、忘れられないじゃん」
『忘れなくていい』
『覚えてて』
『同じ空の下にいるって、思おう』
チャイムが鳴る。
終わりの合図みたいで、胸が痛い。
「……また、会おうね」
『うん』
『絶対』
ぎゅっと、短く抱きしめる。
あたたかさを、心に刻むみたいに。
離れる瞬間、葉月が小さく言った。
『大好きだよ、かな』
かなは泣きながら、うなずいた。
「……私も」
夕焼けの中、二人は別々の道を歩き出す。
でも――
この想いがある限り、
きっと、また会える。
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