てりはるコンテストに参加の作品です!
初めてこういうのに参加するので超緊張しますがいつも通りゆるっと描いていきます!
それでは本編どうぞ!!
【夏の蝉がなく頃に】
(今回は受け攻めあまり関係ありません)
『』ないこくん
「」りうらくん
「うるさ…」
病室の外からはミンミンとうるさく鳴く蝉の声
そんな声に俺は少し苛立ちながら頬杖をし窓の外を眺める。
「…りうらも外に行きたいな」
そんなことをポツリと呟くと突然病室の窓が開きドタバタと走ってくる男の子が1人
『りーうら!』
彼の名前はないこピンク髪が特徴の可愛らしい男の子だ
彼と6日前に出会ったばかりなのにないくんのフレンドリーな性格により随分仲良し(?)になってきていた
「もう…ないくん…また看護師さん達に怒られちゃうよ?」
『ふっふっふ…俺は蝉だからいーの!うるさくするのがお仕事です!』
「何言ってんの…」
少し呆れながらも俺はないくんの話を今日も聞く
いつもみたく話しているとふとないくんの表情が変わり重たい空気が少し流れる
『ね、りうら蝉の寿命って知ってる?』
「…蝉の寿命?」
『あんなに毎日鳴かれてうるさいなーとか思うけど…あの子達1週間の命なんだって』
「…へー」
何故ないくんがこの話を今しているのかが分からなかった。ただこの時のないくんの表情が少し怖い気がしてりうらは何も言えなかった。
『あ、それじゃあそろそろ行くね俺!また明日ねりうら!』
「あ…うん…またね」
ないくんはまたドタバタと騒がしくりうらの病室から出ていく
次の日の早朝ないくんはりうらの病室にまたドタバタと入ってくる。
『おはようりうら!』
「おはようないくん」
そう挨拶を返すとないくんはりうらに渡したい物があるとりうらにとあるものを渡してきた
「…手紙?」
『うん!俺毎日頑張って書いたんだよー!』
中を開くと6枚の手紙が入っていた
1枚だけチラッと目を通す
1日目 8/29(火)
この日俺はりうらと出会った
凄くいい子でハチャメチャな俺と冷静なりうらでいいバランスが取れそう!
1週間楽しい人生を過ごせそうだ!
「…ねぇないくん」
『…ん?』
「この前…蝉の寿命の話…してたじゃん?」
『うん…してたね』
「それ…って…なんで?」
この文章を見て俺は脳裏に最悪な事が過ぎってしまった。現実ではありえない事だと分かっているけど何故かそれを疑ってしまう
この暑い夏の日なのに俺は酷く汗ばみながらないくんの目を見つめる
「…ねぇ、ないくんは一体何者なの…?」
『…なーいしょ…!』
にぱっと笑い口に手を近づけるないくん
「…内緒って」
『だって…りうらもう気づいてるんだもん俺から言う必要なくなーい?』
「……」
『俺は最後までうるさく鳴くのが仕事だから今日もいっぱい遊ぼ!ね?』
「…う、うん」
『よし…そろそろ行かないと!』
「…もう…行くの?」
『うん!じゃあ…ばいばいりうら』
もうないくんはまた明日なんて言ってくれない
「……ない…くん…」
それは明日もうりうらと会えないから?
明日…寿命で死んじゃうから?
『ちょッ…な、なんで泣くの!?』
「ぅッ…やだッ…やだよないくんッ!」
俺には珍しく取り乱しながらないくんの肩を掴む
『り、りうら…』
『…泣かないでよりうら』
「ぅッ…ふッ…グスッ…ヒグッ」
『…最後まで…一緒に笑って…居ようよ』
ガクッと力が抜けりうらにもたれてくるないくん
「ないくんッ…!?」
『へへッ…なんか…眠くなってきたぁ…これ…次起きた時は天国かなぁ…?』
ふわふわとした口調でそういうないくん
まだ彼は鳴いている
でも弱々しくて今にも消えちゃいそうだ
「ないくんッ…ないくんッ!!」
ぽろぽろと涙を流しながら俺はどうすることも出来ずないくんの名前を呼ぶ
『1週間…ずーっと…うるさくしてごめんね…?でも、りうらと居れて俺は…楽しかった…りうらは迷惑だったかもだけど…』
「迷惑じゃないッ…りうらも…楽しかったッ!」
『そっかぁ…よか……た…』
「ないくんッ!?」
『へへ……おや……すみ…』
彼はそのまま二度と鳴くことはなかった
「ぁッ…あぁぁッ…グスッ…ヒグッ」
大粒の涙がないくんの頬にぽたぽたと落ちる
ないくんはふわっと光そのまま静かな蝉へとなった
「ない…くッ…ポロポロッ」
蝉が人間になるわけないそんなことは知ってる。これはりうらの幻覚だったかもしれない
そう思ってもあの少し騒がしく楽しかった1週間は俺は本物だと思っている
「ありがとうないくんッ…」
また来年になったら彼に会えるのかな
騒がしい蝉の声も段々と静まり
景色は赤や黄色と鮮やかな色に変わっていく
そしてあのジリジリと照らし付けられる太陽はなくなり。少し冷たい風が頬を撫でる
だけど俺は現実をまだ受け入れることが出来ない
ずっとずっと泣いてはあの1週間を思い出してる
手紙だって何度も読み返し読む度に泣くせいで段々とぐちゃぐちゃになってきてしまった
「また…会いたいな…」
夏。
彼らはただ、鳴く(泣く)
どうだったでしょう!
ややこしいかも知れませんか最後まで見て下さりありがとうございました!
蝉ないこくんとりうらくんの物語でした!
それじゃあまたね!
コメント
7件
やばい、もう神すぎます、え、とうふちゃんほんとに天才だよ、まじでもう1回見てまた泣こ、
もう好きッ好きでしかないッもはや愛してるわッ(殴
泣く(т-т) めっちゃ泣ける՞߹ ߹՞) 切ないお話も好きだな^^