テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
静かな冷たい部屋で唯一、時計だけが音を奏でている。常に一定のリズムで、外で激しく降っている雨と協奏していた。
日付が変わろうとしている そんな中、元貴は独りで、窓の外をじっと見つめていた。
何かを求めるように、探すように。
ピコンッと通知が鳴る。
暗闇の中に白い光が灯され、元貴はスマホを眺める。
そこには、一件の通知が表示されていた。
_「若井」
その名前を見た途端、元貴は涙が零れてしまった。
眉間を顰め、瞳を潤し、鼻を啜った。
o「……わかぃ……………っ」
か細い声で、彼の名前を呼んだ。
当然 返事はない。
シーンとした空気に包まれている部屋を見つめると、余計孤独を感じてしまう。
omr side
あぁ、だめだ。
あの人に会わないと自分の中の何かが壊れてしまう。
痛々しい痕も、言い出したい過去も、
あの人にしか、
あの人じゃなきゃ、
この錆びついた心を動かすことはできない。
ただ君を好きでいたい。でも、
恐い。
もし受け止めてくれなかったら?
もし愛してくれなかったら?
もし、
二度とあなたに触れることが無くなってしまったら、?
恐い。
そんなことを考えれば考えるほど、ドス黒い中に深く深く堕ちてゆく。
誰か、
…若井、
若井ッ…
僕を殺してッ……
ピンポーン
…
危なかった。
このインターフォン音がなかったら、完全に、何かに呑まれていたかもしれない。
それはそうと、誰だろうか。
まだ日付が変わったばかりなのに。
o「…………はい…」
w「ッッ!!元貴…?」
o「ぇッ…?」
若井…?なんで?
なんで、こんな時間に、
なんで来たの、
w「ごめん。びっくりしたよね、」
w「さっき連絡したんだけど既読つかなかったから、心配で来ちゃった、」
連絡、?
………あぁ、そういえば、きてたような。
改めてスマホの通知を確かめると、先ほどまで一件だったのが、五十件ほどに増えていた。
それは全部若井からのメッセージ。
電話も来てる。
さっきまで、どれだけ孤独を感じていたのだろうか。
これほどのスマホの通知にも気づかずに。
そう思うとゾッとする。
LINEアプリを開くと、若井からの大量のメッセージが。
_もときー!! 今日のリハでやったあの難しいところ、もう一回教えてほしい!!
_夜遅くにごめん!
_元貴?
_おーい。
その他にもたくさんメッセージが届いていた。
メッセージを見ていると、なんとも健気で、愛おしくて、さっきまで冷たかった心がじんわりと暖まったような気がした。
o「……ごめん、今あけるね、………っ」
必死に涙を堪えて、インターフォンに向かって喋る。
w「………」
ガチャッ
o「ぁ………、っ」
o「あ、ぇっと、」ウルッ
ダメだ。
我慢しなきゃ。
くっそ。さっきいっぱい泣いとけば良かった。
勝手に涙が零れ落ちてくる。
w「…」ぎゅっ
o「ッッぇ、」
w「ごめん気付かなくて。」
暖かい。
心地良い。
優しい。
そんなハグ。
傘をささないで来たのだろうか。
服が若干湿っている。
それでも、若井の温もりを感じた。
o「っ、………え、ぇ~ッ……?笑」
o「どうしたの急に…、笑」
悲しい気持ちを紛らわすように、無理矢理 笑顔を作る。
そうでもしなきゃおかしくなってしまいそうだから。
w「ごめん、ごめんね。」ギュウッ
なんで謝るの?
若井に謝る理由なんてないのに。
そういう心優しいところが愛おしくて堪らない。
安心しきって、子供のように泣き叫んでしまう。
o「ぅあ”ぁっ…ひぐッ、!ぅ”」泣
w「独りにさせてごめんね。 」
o「ふぇ”っ…うぅっ……ぐすっ」泣
w「………ごめん、本当にごめん」
w「元貴は独りなんかじゃないよ。」
w「大丈夫。大丈夫」ナデ
若井に大丈夫と言われると本当に大丈夫な気がする。
僕は独りじゃない。
そう言ってもらえているような、
そんな気がする。
僕は若井が 大好き。
若井を他の誰かに渡したくない。
若井を離したくない。
それなら…
身体だけでも、結ばれたい。
o「ッ……………わかい……っ」泣
w「ん、?」
o「…抱いて、っ?」
w「……ぇ、?」
o「お願いッ、」
o「僕が泣いてもやめないでほしいッ…」
w「………」
o「無茶なことだって分かってる、ッ…」
o「けど、それでもっ、」
o「それだけでもッ、若井と繋がりたいっ…」泣
あぁ、言ってしまった。
引かれるかもしれない。
気持ち悪がられるかもしれない。
w「…本当に、身体だけで良いの?」ギュッ手繋
若井が僕の手を握ってきた。恋人繋ぎで。
指を絡ませて、たまに強く握る。
o「え、?」
w「俺は 元貴の心と身体、どっちとも繋がりたいと思ってる。」
なんでそんな酷い冗談言うの。
僕は本気なのに。
o「な、ぇ…ぅ、うそ…」
w「嘘じゃないよ。」ギュウッ
o「、っ……ほんとなの、?」泣
思わず泣いてしまう。
僕ってこんなに涙脆かったっけ、
w「うん、」
o「ぼく重いよ…?」
w「おれ軽いより重い方が好きだし」
o「ッ…我儘だし、若井に迷惑かけちゃうかも((」
w「そんなところも好き。あと、俺が元貴に対して迷惑だなんて思うこと無いよ。 」
o「っほんとに、?」泣
w「うん。全部大好き。」
この人は本当にぼくの全部を受け止めてくれる。
そう感じさせてくれる若井が好き。
月明かりに照らされ、若井の瞳がキラキラと宝石のように光っている。
真っ直ぐで、僕の心を見透かすような目。
僕は安心と嬉しさで泣き崩れてしまう。
o「ッッ…う”ぅ”〜〜っ…」泣
o「うれ”しぃっ……//」泣
w「俺も、笑」
w「もう元貴を独りにさせない。独りって思わせない。」
o「ッうん…」
o「独りにさせたら殺すから、」
w「こわ!?笑」
o「…言ったでしょ。ぼく重いって」
w「うん笑。……かわいい」チュッ
o「っ!?//」ビクッ
ふいに額にキスをされ、驚き思わず肩を跳ねさせてしまった。
o「ねぇそれ禁止……//」プシュー…
w「意外と初心なんだ?笑」
o「うるさいよ若井、/💢」
w「んふ、かわいー…」ドサッ
若井が元貴を押し倒す。
ベッドに縛りつけるように、
元貴の両手をギュッと強く握る。
離れないように。
逃げないように。
包み込むように。
そっと元貴に覆い被さった。
o「え、?な、なに…?わかい、?」
w「なにってなによ、笑」
o「ぇ、え……この状況なに、??」
w「??」
w「俺らえっちするんだよね?」
o「へ?」
w「元貴がさっき言ってたじゃん。」
w「『抱いて』とか『泣いてもやめるな』とか。」
o「っ〜〜〜!!…ぁ、ぁ…///」パクパク
o「ち、違う!!あれは、!//」
w「今更違うって言っても……ね?」
o「ぁ、ぇ…//」
今回は🔞なしで書かせていただきました、!!
たくさんの♡ありがとうございます🥹❤️❤️
コメント
2件
うん、最高です😃😃😃😃