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金は結構積んだけどね、とはにかむ元貴に期待を含んだ眼差しを向ける。涼ちゃんが居なくなってからの3年間、元貴は事件について探ってきた。けれど、世間的には”死んだ”と扱われており上手く情報が掴めなかったらしい。
正直俺達ももう涼ちゃんが生きてるとは思えない。こんな夢も希望もないことを思っちゃいけないのは分かってる。だからこそ元貴と何度も話し合って、涼ちゃんを探す という目的を変えた。
復讐に。
「流石元貴。いくらかかった?」
「答えたら払ってくれんの?」
元貴が金を払った相手は、恐らく同業の情報屋だろう。部屋に置かれた音楽のCDに目を向ければ、困ったように眉を下げて元貴が笑う。
「分かってますよ、若井には感謝してるから。」
元貴の持っている音楽性と俺のギターを活かしていくつか曲を売り出している。その活動が思っていたよりも上手く行き、現在の職と肩を並べるくらいになった。
この捜索も元貴1人の情報に頼りきりになってしまっていることもあり、音楽活動で得た資金は全て使っていいと言うことになっている。重要な情報を得るのに活用出来たというなら本望だ。
「いつか涼ちゃんもキーボードとしてやってほしいなー。」
「……そうだね。」
少しでも状況が進展した事実に気分が上がり、叶わないであろう夢を語った俺に複雑な表情を浮かべた元貴にそれ以上は何も言えなかった。
食べ終わったカレーライスのお皿をキッチンの流し場に置き部屋に帰ると、難しい顔をした元貴がまたモニターと睨み合っていた。そんな様子に、聞きたかった本題を持ちかける。
「それで?なに分かったの?」
「んー…、ある程度は分かったけどさ、こいつの前に居る人間が多すぎて上手く掴めないって言うか…。」
元貴が言う内容はよく分からないが、何かで手間取っているのは分かる。
「俺になんか出来ることある?」
ただ突っ立っているだけの自分に嫌気が差し、集中している元貴の横顔に問いかける。
「…あ!丁度調べたいことあった。涼ちゃんが居なくなる前、なんか嗅ぎ回ってるやつ居たっぽいんだよ。で、そいつと同じような感じのが何人か居るんだよね。」
長々と説明してくれたが、全くと言っていいくらい何を言ってるのか分からない。そんな俺の様子を見兼ねて、やって欲しいことを簡単に伝えてくれた。
「つまり、涼ちゃんが居なくなったのと同時期に同じような感じで居なくなった人がいないか調べて欲しい。涼ちゃんが消えた時、まあまあな記事になってたからネットで見つかると思う。」
これ使っていいから、と手渡されたノートパソコンを受け取る。コンピュータの操作に長けている元貴に比べれば能力は劣るが、調べるくらいなら出来るだろう。
先程まで使っていた机の傍に座り、机上に置いたパソコンを開いた。