先ほどの男が入った部屋に到着する。
やはり鍵はかかっていなかった。俺たちはゆっくりと扉を開けた。
中に入ると、先程運ばれていた青年がベッドで眠っている。ベッドの傍らには水が入った一本のペットボトルが置いてあった。
na「俺らと同じくらいかな?」
kr「ぐらいだよねー、、、てかさ、気になったんだけど、痩せすぎじゃない?」
na「うわっ!手首やばっ!」
naが布団を少し捲り、手首を掴んだ。あまりの細さに驚きを隠せないでいる俺はもう少しだけ布団を捲った。すると注射の痕や、二の腕辺りには包帯が巻かれているのが見える。
kr「この注射の痕、、、ここで何してんだろうね、、、」
na「、、、なぁ、この子連れ出せないかな?」
kr「はぁ!?馬鹿言わないでくんない!?そんなの無理に決まってるだろ!」
na「何とかしてさ、できないかな?」
kr「正直今の状況もばれたら、かなりヤバいんだからね!」
na「わかってるけどさー、、、」
2人であーだこーだと言っていると、眠っていた青年が目を覚ます。
sh「んっ、、、あ、、、え?だ、だれ?」
寝そべったままの青年は目線だけをこちらに向けて問う。しかし声は枯れてて声量もなくうまく聞き取る事ができなかった。
na「えと、、、大丈夫??水、飲む?」
こくりと力なく頷く。起き上がる力も無いのかその動作はとてもゆっくりでkrが背中を支えて手伝っていた。
sh「、、、ありが、と、、、。」
na「はい、持てる?」
naから水を両手で受け取る。しかし、その手は明らかに震えており、しっかりと水を持ってはいるがいつ落としてもおかしくない状況だ。
na「ほら、支えててあげるから飲みな?」
少し戸惑っているように見えるがnaの助けを受けいれて水を飲む。ある程度飲み終えると、俺たちと目が合う。
sh「あ、、、の、その有難う、、、。でも、何でこんなとこに?」
na「驚かしてごめんね?俺はna。こっちはkr。」
sh「、、、あいつらの、なか、、、ま?」
この青年の言っている仲間とは先程部屋からでていったやつらの事だろう。俺たちは首を横にふる。
na「君の名前教えてくれない?」
sh「、、、sh。」
kr「shは、ここで何してるの?」
sh「俺、、、俺はここで薬作ってる。」
na「薬?」
kr「その腕の注射痕も薬の為?」
sh「そう。俺にしか出来ないらしい、、、。」
shの顔は段々と曇っていき顔を下に向けたまま話すのをやめた。
na「なぁ、、、shはさ、ここにいたいの?」
sh「、、、え?」
na「なんか、sh辛そうだから、、、。」
sh「俺は、、、」
kr「na。無理強いはダメだからね。」
うなずくna。もう一度shと目を合わせる。
na「sh、俺たちと一緒にここをでないか?」
sh「一緒に、、、?」
na「shが本当に出たいなら、俺たちで協力する!」
目の前にnaの手が差し伸べられる。
sh「お、、、俺は、、、っ」
第8話へ続く。
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