現在嫌!やめて!もう、苦しめないで!…誰か
タスケテ
ハッと目がさめた…久しぶりに嫌な夢を見た。あのときのことは鮮明に覚えている。忘れることはないだろう、あの時の思い・苦しみ。けれど決して人間を恨んだことはない。
そう思いながら紅は、寝床をあとにした。
紅がみんなが集まっているであろう部屋についた頃部屋の奥からズーンっとした雰囲気がダダ漏れになっている。
そのことで紅はもしかしてと思い扉を開けると、案の定 皆揃っている。
揃ってはいるが皆一様にどんよりとしていた。一応一番近くにいた子に話しかけた。
紅「どうしたの?」
阿憐「あぁ、”姉さん”おはようございます。いえ、どうも嫌な夢を見てしまって」
紅「もしかして、あの時の?」
阿憐「あ、もしかしなくても”姉さん”も見たんですか?」
紅「えぇ、こういう時って皆一斉に見るものね」
鎌之助「ウ~、”母ちゃん”」
風蘭「……”母さん〜”」
優「”姉さん”」
マサキ「”かあさん”」
紅「あら、いらっしゃい(微笑)」
紅の一言で団子になって紅に優達はくっついてきた。
それを優しくまとめて手でおおった。
紅「可愛い私の”家族”。もうあんな思いはさせないからね。だから…安心して」
それはまだ私が人間だった頃、とある組織に捕まり檻に放り込まれたところから始まる。
紅「だせ!ここからだせ!なんでウチがこんなとこに閉じ込められなあかんのや!」
研究員「うるさいぞ。763番」
紅「なんで、そんな変な番号?!しかも中途半端やし!ウチにはちゃんとした名前があるんですけど!?」
研究員「ここではお前達は番号で言われる。今後その名前とやらは使われないと思っとくんだな」
紅「いや、理不尽!って”達”?」
そこでようやく紅は檻の中を見渡した
この頃の紅は目がとても悪かったなのに、研究員にメガネを取られて全くのボヤボヤでまるで見えない中、隅っこになにかの塊が見えた。どうやらそれが研究員が言ってた”達”なのだろう。とにかく紅は、よく見えるところまで近づいた。それはもう、ズズイと近づいた。いきなり近づいた紅に対してその塊達はビクとも動かないまるで人形のようだった。
でも呼吸はしてる、よく見たら首の周りに近くにバーコードと標識認識ひょうしきにんしきの革の首輪をしていた。
1人目の首輪には4-156
2人目の首輪には26-214
3人目の首輪には039-59
4人目の首輪には10-365
5人目の首輪には50249-1000
!?、いや5人目だけなんかおかしくない!?なんか、え?5人目だけやたら数字おお!?
てかなんでこの子達人形のように動かんの?生きてる?あ、生きてるわ。
それにしてもこの子達お風呂入ってる?ちょっと臭うし、髪もバサバサやし体中に包帯や注射痕がある。
…とりあえず話しかけるか。
紅「もしもーし?」
4-156「……だれ?」
紅「あ、喋った。君たちお名前は?」
4-156「…なまえって…なに?」
名前がないだと!?……よし名前考えるか。とりあえずこの子達の見た目、某アニメ集に似てるしそこでつけるか。
私、名前つけ絶望的だし(笑)
紅「とりあえず、名前ないと不便だし。名前つけていい?」
研究員「おい、勝手なことするな」
紅「うるさい!この偏屈野郎!」
研究員「!?へ、へん」
紅の暴言に研究員は絶句して、黙った。
紅「よ~し!もう勝手に決めちゃお!そこの4番は優!26番は風蘭!039番はマサキ!10番は阿憐!んで!そこのやたら長い番号の子は鎌之助!以上!」
いきなり、名前をつけられた5人は頭の中?になっていた。そもそも名前というものの存在を知らない。いつも研究員には番号で呼ばれている。それで自分たちのことを認識していた。そこにちゃんとした名前をつけられたのは初めてだったのだ。それが5人の感情が動き始める音が何処かで聞こえた
そしてそこから数ヶ月。
紅達は色んな実験をされた。血を全部入れ替えられたり、変な色した液体を打たれたり(発狂・幻覚・幻聴等などがおこった)体にメスを入れられたり他にも酷いことをされていた。でも、そんなことされても紅は同じ目にあってる優達に話しかけたし、研究員に止められようが自分がつけた名前を言い続けた。それの効果か、徐々に優たちに感情というのが芽生えてきた。
さて、今日とて実験をされ。檻の床にベチャっと倒れた紅の周りに優達は集まりヤイヤイ言い出した。
優「全く、お前はすぐ倒れるよな。体力がなさすぎるぞ」
風蘭「そうですね~。ミー達よりないですよね〜」
マサキ「まぁ、でもよく耐えてる方だと思うよ」
阿憐「ですね。僕たちよりは体力ないですけど」
鎌之助「血をみれば元気になるんじゃねえか!?」
とかなんとか、好き勝手に言いたい放題上から降ってくる
そのことに紅は無い力を振り絞って起き上がった。
紅「うるさいわい!ったく人が倒れてるのに労ることを知れ!こんちくしょう٩(๑òωó๑)۶」
マサキ「あ、○○○が怒った。」
阿憐「え?これ怒ってるうちに入る?」
紅「一応怒ってるよ(●`ε´●)」
風蘭「怒ってるように見えませんよ〜」
鎌之助「なぁなぁ!血!血みれば元気になるか!?✨」
紅「ならんわ!てかさっき抜いてきたばっかやわ!」
鎌之助「!!血〜✨」
紅「なんで見てもないのに喜ぶかな〜?!」
阿憐「鎌之助ですからね」
優「鎌之助だからな」
風蘭「ですね~」
マサキ「だな」
紅「あ~、納得ってできるかい!」
ま、なんやかんやで、すったもんだという感じで紅達はとても楽しそうに話すことが多くなった。
それから十年後……
紅達はすっかりと大人になっていた。紅は実験のせいか、目がとても良くなったが、体はボロボロになり精神もかなりと消費していたが、その分優達の絆はしっかりと築き上げていた。それによってなのか、優達の世代で誰も代替わりせずに成長していた。それは研究員にとっては嬉しい誤算だった。それから、実験は最終的なところまでいっていた。
研究員にとっての最終目標は妖怪との融合。
そう、この日のために何体のものの人造人間を作ってきた。
それは、ほとんどが失敗で終わっていたが。今回は成功する可能性がでてきたと研究員は喜んでいる。それに、人造人間ではない本物の人間も手に入った! これは、滅多にない大チャンスなのだ!!
……こほん。少し取り乱しました。
さて、ここからが本番である。
ガラス越しに六人(紅達)の実験体を置いて、その眼の前に6つの扉を用意する。その扉はなんとも禍々しくそれでいて美しい絵柄が描かれていた。
1つ目は黒色で狐と狼の絵柄に、1と書かれている
2つ目は紺色で鴉と黒狼の絵柄で2と書かれている
3つ目は黄緑色で狐と人魚の絵柄で3と書かれている
4つ目は浅葱色で猫と鬼の絵柄で4と書かれている
5つ目は白色で犬と腕の絵柄で5と書かれている
6つ目は紅色で女と鹿の絵柄で6と書かれている
研究員どもは言った。
この扉を開いて戻ってきたらお前たちは新たな力を手に入れるのだ!
ちなみに数字が小さい順に強くて辛いものが待ってるから、覚悟して行くように!フハハハハヒハヒヒヒ!
それを聞いた途端に紅は優達を押しのけ、いの一番に走り出した。それを見た優達は絶望を感じてしまった。今まで仲良くしてくれたのに自分だけ助かる可能性がまだある、6に行くのではないかと。けど違った。紅が選んだのは一番助かる可能性が低い1だった。1の扉を開けて入る寸前紅は優達にこういった。
生きて
とそう言って扉を閉めた。
それをかわきりに、優、風蘭、マサキ、阿憐、の順に走り出した。我先にと2、3、4、5と順に入っていく。最後に残った鎌之助は、呆然としながらみんなが入る前の言葉を思い出した。
お前らは生きろ
ミーより先に死ぬのはなしですよ〜
怖いけど、お前らが助かるならいいよ
鎌之助、無事に生きてくださいよ
鎌之助は静かに涙を流して困惑した。何故と、自分より先に助かろうとしないのかと、そして寂しいと。
だがこのままでは進めない。涙を拭いて鎌之助は最後に残った6の扉を睨み、そして入っていった。
1の扉に入った紅は暗い道を歩いていた。
歩いて、歩いて、歩き続けた。
そして小さな光が見えた。その先には大っきい尾が四つの狐とこれまた大っきい白銀の狼が戦っていた。
首や足に鎖を巻き付かれながらもお互いにお互いを傷つけ合っていた。その様子を見た紅は先に思ったたことは死だった。周りにも死骸がたくさんあった。けれども、幸いにもまだ狐たちは紅の存在に気づいていないようだ。それでひとまずは、考える時間ができた紅はとりあえずその狐達を観察した。そして、分かったことが2つあった。
1つは狐たちに巻き付いているあの鎖がほのかに光っていてそれで狐達を操っていること
2つはその鎖は地面の杭に繋がっていること、もしかしたら杭を抜いたら何か起こるのでは?っていうこと
そこまで考えて紅は死を覚悟で杭を抜くことを決意した。
全部で26個…しかも杭はでかいときた。
でもやるしかないのだ!と意気込み、踏まれないように気をつけながら走って杭のもとに近づき杭を抜き始めた。時には踏まれそうになるが、それを避けながら杭をやっと1本抜き終わる寸前で自分に電撃のが走った。それに対して声にならない悲鳴を紅はあげる。それでもやっとのことで1本目の杭を抜き終わる。倒れそうになるが今は倒れている暇はないことに気合を入れる。大丈夫これくらいなら実験で何度も食らっている!気絶してる場合じゃないぞ○○○!
そうして、紅はヨロヨロとだが次の杭のもとに行った。
2本…3本…4本と杭を抜く度に電気が走るがそんなこと知っちゃこっちゃない!
電気を食らうたびに慣れてきたのか動きも大分まともに動けるようになってきた。
残り5本になった頃には狐たちもさすがに紅の存在に気づいていた、そして杭が抜かれるたびに狐たちについてる鎖も消えていった。それのおかげか狐たちは今は暴れることなく紅の様子を見ていた。
……最後の1本これを抜いたら…なん…とか…なる、はず!
ビリリリ!……ズボッ! シュン!
ボロボロの服が更にボロボロになりながらやっと全ての杭を抜いたことで、気が抜けたのか紅はそのまま地に倒れ伏しそうになる、そこにポスンと柔らかいものが当たった。
その柔らかいものの正体は狼の尻尾だった。どうやら2匹とも正気に戻ったようだ。
そう思った途端にキツネたちから声が聞こえた。
狐「お前は何者だ?よくぞ我らの鎖を解いてくれたな」
狼「感謝するぞ人間」
狐「だが、人間。ここからが本番ともいえよう。」
狼「ウム、人間よ。お前の目的はここから出ることだろ?」
狐「だったら出る方法は一つしかない。我らと一つになる。…それしかないのだ。だがそれに耐えれるかは、人間よ。お前次第だ。それ以外では死あるのみ」
狼「……お前が死んだら我々は、また鎖に縛られ戦い続けないといけない。それはできることなら避けたい。………もう戦うのは疲れた」
狐「確かにな。我々はそなたの肉体と繋がったら意識は残されるが我らの体は自由に使ってよい。一つになったらもう離れることはできぬからな。それでもやるか?」
紅「…えぇよ。でも一つになる前にあんさん等の名前教えてもらってもええ?」
狐「名などない」
紅「まじか、じゃあウチが決めてもえぇ?」
狼「好きにするといい」
紅「んじゃ、君が愛あい(狐)で君が海かい(狼)ね。理由は愛は瞳が赤くて綺麗だから愛を込めて愛。海は瞳が海のように綺麗だから。あとは私の名前に愛と海が入ってるからだよ。」
愛「愛か、ウム気に入った」
海「俺も気に入った。…海」
紅「それは良かった。んじゃ、人思いにやってくれ!私があなた達を解放してあげる!そして我々に自由を!」
そう言った途端に愛達は紅の体に入る。
すると、紅の体は熱くなり体内から激痛が走る。頭の中がぐるぐるするし、吐き気もしている。まるで体内の中を暴れまわっているような感覚である。そりゃそうか、今この体に2体の妖怪が入っているのだから。でも、私は死ぬわけにいかない。だって!ここで死んだら!あの子達に会えなくなる!それに、生きては自分にも言ってたんだから!
…それから数十時間
紅の容姿がどんどん変わっていく。時には男に、時には少女に、時には中性的な姿に。姿が変わっていくうちに突然ピタッと、止まった。どうやら融合ができたようだ。
紅「ハァッハァッ、生きてる?」
愛「(ウム、どうやら無事に一つに慣れたようだな)」
紅「?!…愛?」
愛「(言ったじゃろ?意識は残ると)」
紅「そうだけど」
海「(…体の具合はどうだ?)」
紅「海もちゃんとそこにいるのね。具合は、うん前より断然いい。むしろ力が溢れてくるような感覚がある」
海「(ならその力とやらを上にぶつけろ。そうすれば道は開かれる)」
紅「上?(よくわからんけどやってみるか)」
そう思いながら、紅は手を上にあげて今ある力を手に集中させた。そうすると手から気の塊みたいなのが出てきたのでそれを放つイメージで手を少し動かす、それにともなって気の塊は上にゆっくりと上がっていった。気の塊は徐々にスピードをあげ空高くでなにかにぶつかったかのように破裂した。
そうすると、みるみると今いる場所が空からひび割れてきた。そのヒビはどんどんと広がり最後には崩れていった。
その記憶を最後に紅は意識を失った。
さて、紅達が扉の向こうへ入って2日。
4つ目の扉が少しずつひび割れ、最後に盛大に壊れた。
壊れた先にはその扉に入ったマサキが目を閉じながら浮いてた。研究員達はまず思ったことは、”成功した”だ。
研究員達は喜びに喜んだ。なんせ”一つだけでも成功した”と思ったからだ。だが、研究員達の喜びはこれ以上になった。
ピシリ。
この音に研究員達は思わずそちらを向いた。
そう…次の扉が今まさに割れようとしていたのだ。
今度は同時に5つ目と6つ目の扉が壊れた。
そしてマサキと同じく浮きながら阿憐・鎌之助がでてきた
これに関して研究員は驚きを隠せないでいた。
だが、驚くのはまだ早い。次に2つ目の扉、そして3つ目の扉が壊れ優と風蘭が出てくる。
そこで流石の研究員達はシ~ンっとなった途端に慌ただしく資料やパソコンの中身をあさりだした。今までの実験を超える自体に研究員は喜びと焦りをいだいでいる。
そんな中、モルモットである優達は徐々に目を開きあたりを見渡す。
そこで、自分達が浮いていること…扉が壊れていること…研究者がガラス越しに喜んでいること…
そして〇〇〇(紅)がいないことに気づく
優達は一つだけ残ってる扉を見つめてこう思った〇〇〇(紅)は死んでしまったと
気づいたときには優達は涙を流して叫んだ
叫んだことにより研究者とモルモットを隔てていた硝子にヒビが入った
その威力に研究者は驚いていたがそんなこと優達は知っちゃっこっちゃない。
徐々に上空からおり一つだけ残った扉の前で優達はうずくまり、すがりついていた。自分たちを初めて人間扱いをして感情というもの、優しさを教えてくれたものが死んでしまったと嘆き悲しみに明け暮れたのち。優達は思った
こうなってしまったのは一体誰のせいだとそれは
人間だ
人間が憎い
そう、優達は〇〇〇(紅)以外はホムンクルスで人間ではない人の形をした化け物と〇〇〇(紅)以外は称していたし何より今の自分達は正真正銘の化け物になったのだ。
今の自分達を止めれるものはもういない。
そこまで優達は考え目を真っ赤にして研究者達の方へ一斉に向いた。
それに研究者達は驚くもの、恐怖にのまれるもの、歓喜にあふれるものとそれぞれ違った感情を表していた。
だが、ここで研究者達は間違ってしまった。ここで逃げていれば良かったものの、ただただ たたずんでいた。
それを優達は見逃さなかった。
まず行動に出たのはマサキだった。瞬時に髪が黒くなり床にまで伸びた髪に額に角そして十二単の姿になっていた。
またこの姿のときは後に咲という名前になる。
その姿になるとマサキは影の中にトプンと潜った。
そしてマサキは研究者達のうちの一人の影から現れ伸びた爪で心臓を貫いた。
それを皮切りに悲鳴をあげ逃げ出す研究者達
だがそこで逃げられる訳もなかった、何故か唯一の逃げ口であるドアを潜ってもまた戻ってきてしまう。そんな訳のわからない現象を起こしてるのは風蘭であった。風蘭はただ立っているだけのように見えているが何を隠そう今の風蘭は幻覚を使えるようになっていたのだ。それにより研究者達は気づかぬうちに術中にハマったのである。
次に優と阿憐がどこからともなく刀と大剣を持ち
飛び上がり硝子を壊して研究者達に斬りかかる。
最後に鎌之助は風を操り刃のごとく切り刻んでいた
こうして地獄絵図が完成した
それから数十分後
研究者達は息絶え、死屍累々の中 血だらけになりながらもまだ優達は研究者達の心臓をえぐり、切り刻み、幻覚をかけ続けていた。
ここに正気なものは誰一人といないそんな状況の中ひっそりと〇〇〇(紅)が入った扉がピシッ ピシッとヒビがいきパーンと割れ、出てきたのは死んだと思った紅だった。
紅は優達とは違い空中に浮かずに地面におりすぐさま目を開けた。そして眼の前に入った地獄ですぐに動いたことは優達を止めることだった。
ゆっくり階段を登るように空中を歩き研究者達がいた場所におり、まだ紅に気づいてない優達にこう言った。
ただいま
と、すると今まで研究者たちを殺すのに夢中になっていた優達はピタリと止め、紅の方にゆっくりと振り向いた。
そこには姿形が違うが優達には紅だと確信し、涙を流しながら紅だとの下へと走り飛びついた。
そして、泣きながらおかえりと言うものも言えば遅いと言うものもいたが泣きすぎで何言ってるのかさっぱりであった。
だが、紅は優達が何を言ってるのか分かりごめんねといい優しく抱きしめたのであった。
それからしばらくして
優達は落ち着いたのか徐々に紅から離れていった。
紅「落ち着いた?」
風蘭「はい〜、落ち着きました〜」
マサキ「たくッ、改めて言うけど遅いんだよ!〇〇〇(紅)
!」
紅「あ、そうだ。これから私は〇〇〇じゃなくて紅って名前にするからそのへんよろしく」
阿憐「え?今この惨状で言うことですか?それ」
紅「今言わなければいつ言うのよ。それにこの惨状作り出したのは阿憐達でしょ?」
優「まぁ、そうだが…」
鎌之助「ごちゃごちゃ言ってないでこれからどうするか決めようぜ!」
紅「そうね。んじゃまずは……この資料を読みましょうか」
バサリと懐から出したのは一冊の資料だった
阿憐「え?いつの間に?」
風蘭「今までのシーンでそれを懐に入れれる時間ありましたっけ〜?」
優「なかったと思うが…」
紅「まぁまぁ、とりあえず読みましょう」
その一言で優達は紅を囲みながら資料を見始めた。
資料の内容
紅たちの今までの研究成果について
ホムンクルスについて
扉の妖怪達について
そして成功した実験体の”寿命”について
等など
紅達が気になったのは”寿命”についてだった。
そこに書いてあったのはなんとも残酷なことであった
基本は不老不死であることだが唯一死ねる条件が紅は優達に殺してほしいと思うことと同時に心臓を貫かれないと死ねない。それは誰かが一秒でも遅ければ死ねないということ
逆に優達は紅に殺してほしいと心の底から思いながら殺されなければ死ねない
どちらも、必ずは生き残ってしまう方法だった
優達が欠ければ紅は死ねない、紅がいなければ優達は死ねない。
残酷であったが紅達は悲観にはならなかった。
何故かって?互いに互いを殺す気など毛頭ないからだ
だが、これからどうやってゆくか優達は悩んだが紅だけが優達に手を伸ばし悩まずにこういった。
静かにあなた達と暮らしたい
いろんな経験をしたい
と
それについて優達は互いに目を合わせて頷いた
そして紅の手を取ったのであった。
とまぁ最後の人間だった頃のことを思い出しながら紅は優達が落ち着く頃合いを見てこういった
紅「こういうときは甘いものに限るわね。というわけで何が食べたい?」
マサキ「…ショートケーキ」
風蘭「甘ければなんでも〜」
優「団子がいい」
鎌之助「俺も団子がいい」
アレン「パフェが食べたいです」
紅「オッケー。じゃあ持ってくるから待ってて」
人生何が起こるかわからない
そこのあなたも今ある時間を精一杯大切にしてほしい
今いる大切な人を大事にしてほしい
守るものができたのならそのために生きてほしい
この世は摩訶不思議なことで包まれている
次はもしかするとあなたの番かもしれませんよ
それではこれにてさようなら
優「おい。どこ見てるんだ?」モグモグ
紅「あ、気にしないで」
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