テラーノベル
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大勢の死者を出しながらも、
それでも必ず勝利を掴み取る——
ユイ軍に、カンジュ国は完全に頼り切っていた。
つい先日、戦地から帰還したばかりだというのに、
休む間もなく、次の出陣命令が下される。
今度の相手はロクシャ。
レンニーやカンジュほどの大国ではないが、
カンレイの中でも、屈強な体躯を持つ民族として知られていた。
馬に跨り、
かつてセイカの最も近くで剣を振るった男——
サルビが、天を裂くような雄叫びを上げる。
「相手がどこであろうとーー
勝つのは我々だ!
ユイ軍! 出陣ーー!!」
鬨の声が重なり、
軍勢は城門へとなだれ込んでいく。
そのとき、サルビはふと、
城の奥——ユイの私室がある方角へと視線を投げた。
(ユイ様…行ってまいります。
セイカ様…どうか、
どうかユイ様をお守りください……)
祈りを胸に刻み、
ユイ軍の猛者たちは、
傷だらけの身体を引きずりながらも、
再び戦地へと歩み出していった——。
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