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「日陰に入ろうよぉ。」
八戒はバテて座り込んだ。
「これ八戒天竺まで後もう少しだぞ。」悟空が如意棒型煙管を吸いながら咎めた。
「辛抱ねぇ奴だな…。」悟浄も頭をかく。
「立ちなさい八戒。」
「ヒーン。」白蓮と三蔵も呆れていた。
八戒のせいで足止めを食らっていると「天竺は俺らが行くんだ。」と声が聞こえたので振り向くと何と如意棒を持った男性が構えていた。
「おいお前何の真似だ?」
悟空は眉を潜めて如意棒型煙管を伸ばした。
「見て分からないのか?俺らは三蔵一行だ。」
お河童頭の男性が張りぼての大刀を抜いた。
「ざけんな俺らが三蔵一行だ。」
悟浄も大刀を抜く。
「嘘をつくな偽物!」肥満体型の男性が指を指した。
「はぁ?喧嘩するか?」八戒も蛇の目傘を畳んで構えた。
「喧嘩とは物騒な…。」
偽僧侶の男性はやれやれと言った顔をした。
「私も事を荒らしたくないのですが僧侶に成りすましとはいけませんねぇ。」三蔵法師も怒った。
「俺の成りすましよ何ゆえ緊箍児をしておらんのだ。」
「それは…。」偽悟空は言葉を詰まらせる。
「おい偽物先までの威勢はどうした?まさか本物の大刀にビビってんじゃないのか?」偽悟浄も額に汗が滲み出ていた。
「デカブツ動きが鈍いよ!」偽八戒も八戒の傘さばきに翻弄していた。
「念仏が適当ですねぇ偽物さん。」偽三蔵法師も思わず息を飲む。
「緊箍児はどうした?」
「こ…これだよ。」
偽悟空は恥ずかしそうな顔で張りぼての緊箍児を付けた。
「はっはこりゃぁ傑作だ。」
悟空はケタケタと笑った。
「だっせー。」悟浄と八戒も嘲笑う。
偽三蔵一行は顔を赤くして逃げ去った。
「とんだ邪魔者が入ったな。」三蔵法衣は辟易していた。