コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
生前
黄目線
「どうも、貿易商さん。今回はこの子達をお願いします。知っているとは思いますが割れ物なんでね。慎重に運んでくださいよ。」
「どーも。当たり前じゃないっすか。今までヒビさえなかったでしょ。俺にとっても大事な商品なんで。」
“スマイル”という名前には相応しくない、人を見下すような顔をへらりと見せる。
「それで?今回の代金はどちらでお支払いしてくれるんですか。」
「……俺、が…」
「…物好きになりましたね。」
「はぁ!?誰のせいだと…」
「貴方にも非があること分かってます?初めに手を出してきたっ」
「うるせぇよっ、はやく受け取れ…」
「はいはい…奥の間に行きますか。」
互いの合意の上で成り立っている。
これは正当な対価だ。
正門からは遠く、離れのように置かれた寝室。障子越しの淡い光が身体を火照らせる。
「随分といやらしい身体になりましたね。」
「ん”♡貴方のっせいですよっ!」
胸飾りをざらりと撫でると、強気な顔が崩れる。
「……どうしました?こんなところで感じてるんですか?」
「んなわけ、なぃ…」
「ふふっw素直になれない悪い子ですね。」
「んあ”っ!?そぇやだぁ…!ごめんなさいぃ”っ♡」
「ほら、素直に言ってくださいよ。身体で払うんでしょう?」
「ぅ”っ…その荒れた指で、もっと…擦って、ください///」
「もちろん。私も貴方が乱れる姿を見たいので。」
何度も繰り返してきた行為。彼のイイところや弱い言い方だって分かっている。
これは仕事上の関係。
彼が支払う代金を持ち合わせていなかったとき、冗談から始まった支払い方。
愛なんてないただの行為。
ささくれ立った指の腹で身体を撫でると、それに呼応するように身体を震わせながら赤に染まる。
「ねぇっ…スマイルっ俺のこと、好きって言って……?」
嘘でもいい。
その声で俺に愛を囁いて。
「…っ……す、きっ///」
やめてくれ、そんな顔をしないでくれよ。
本当に俺のことが好きみたいな顔を。
「ありがと…今回はもういいや……」
あぁ、ダメだ。ダメだ。
ただの仕事なのに。
「っなんで!?まだっ」
「もういいって…満足したから。」
情を入れすぎている。
これ以上こんなことを続けてしまったら、彼を手中に納めて俺だけのものにしたくなる。
新しい貿易商を探そう。
もうスマイルと会ってはいけない。
慣れた手つきで身体を拭う。
西洋まじりの変わった服は、脱がせ方も着せ方も覚えている。
「…ぇ、あ……」
「それでは貿易商さん。私の子供たちをお願いします。」
「…っ”……は、ぃ……」
情事の香りと一つの耳飾りを残して、不浄な関係は幕を閉じた。