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#2話 あの日の光景
くだらないことで笑い合って、ふざけ合って愛那といるときは人生で一番と言っていいほどに楽しかった。
家庭環境はあんなんだけどこうやって笑い合える、親友と呼べる人がいてあたし、幸せなだなぁ。
毎日そんな日々を何気なく過ごしてきた。変わらないと思っていた。ずっと続くと思ってた。愛那だけがあたしの光だった。
今日もいつも通りの学校を終えて、いつも通り愛那と帰る。
「愛那ー、帰ろぉ。」
愛那「帰ろ。帰ろ〜。みる、今日遊べる?」
「もちのろん!」
愛那「やったー!カラオケいこぉぜぇ!w」
「いこいこぉー」
話しながら校門を出て、いつも通りの道を通る。
変わらない景色。変わらない友達。変わらない道。
この日もいつも通り過ごしていた。
大きい交差点について、信号が青になるのを2人で話しながら待つ。車の信号が赤になって、歩道の信号が青になった。
「あっ、青だ。いこっー」
愛那「ほんとだ。いこ」
そんな会話をして、大きな交差点をわたっていた。
くだらない話をしていたとき、横から車の音が聞こえたような気がした。びっくりして信号と横を交互に見る。
本当に車が来ていた。だけど、信号は青だ。どうすればいいの、?交差点もちょうど真ん中。
やばいっ、。これもう死ぬのか、。あたしは死んだっていい。だけどっ、だけど、愛那だけは死なせない。そう思って愛那に声をかけようとする。危ないっ、そう言いかけたとき、私の言葉を遮って愛那がその言葉を発した。
「あぶn」
愛那「みるっ、!危ない!!」
愛那に思いっきり背中を押されて、バランスが取れず、その場に倒れ込む。私の膝からは大量に血が流れていた。
わたしは膝だけだったけど、愛那は頭からも大量に血を流していた。
周りには大量の人だかり。
今はこんなことどうだっていい。愛那っ、。力を振り絞って愛那の方を向く。今にもでなくなりそうなかすれた声で言う、。
「はぁっ、。あい、なっ!」
愛那「みっ、るっ…。わっ、た、しのっ、ぶん、ま、で生きて、ね、だいっ、っ、す、きっ、。」
これが最後の会話だなんて、信じたくなかった、。信じていなかった。このときまでは、。
今にも消えそうな小声で愛那が言ってくれた。普通の人なら聞こえないかもしれないような声だったあたしにははっきり聞こえたよ。周りの人が救急車だの、大丈夫?だのいっぱい話しているけど、もう答える体力が残っていない。
あたしの頭の中は愛那でいっぱいだった。
最後に見たのはっ、。血だらけで倒れている愛那、。
そこであたしは意識を失った。
救急車に乗せられて、そこから意識が戻った、。
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