sm × shk
※kn × sm要素あり
バドエン
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shk視点
俺は今日、スマイルに告白をする。
長かった片想いに終止符を打つため。好きになった日は覚えてないけど、多分ざっと5年は片思い。
きっかけは、高2の体育での出来事だと思う。
高2の真夏。これまでに無いくらいの猛暑日なのに、グラウンドで持久走。
日焼けをすると身体中が痛くなってしまうから、常に長袖を着なきゃいけなかった俺は、準備体操の時点でフラフラ。先生に言っても、じゃあ長袖を脱げ、なんて、俺の事情も知らないくせにそんなこと言いやがって、しぶしぶ脱いだ。
倒れて死ぬよりマシだと思った。
でも脱いでも暑い事には変わりなくて、いくら水分をとっても意味がなくて。
で、何故か俺は最初のグループだった。身体中痛いのを我慢して、汗を流しながら男子は1500mって。走った。順位を競うものじゃないのは分かるけど、暑さに弱い俺は当然ビリ。
ゴールした頃には目の前が真っ暗だった。息も上手くできなくて、日焼けしたところに汗が垂れて痛くて、地面にうずくまった。
で、気づいたら保健室にいた。呼吸もある程度回復してて、体には冷やしたタオルが巻かれてあった。たまに保冷剤とか氷とかを直接貼ってくる人もいるけど、そんな適当じゃなくて、ちゃんとタオルで痛くないようにされてあった。
時計を見たらもうとっくに体育の時間は終わっていて、次の授業が始まっている時間だった。
当然保健室には保健の先生しかいなかったけど、その先生が教えてくれたんだ。
俺を運んだのがスマイルだってこと。
当時、俺とスマイルはただのクラスメイトで、スマイルはいつも本を読んでる静かな人ってイメージしかなかった。班活動とかも一緒になったことがないし、言ってしまえばスマイルよりも仲のいい人はいっぱいいた。だけど、聞くところによれば、俺が倒れた時、一番に走ってきたのがスマイルだったらしい。
その後でおれはちゃんとお礼をしに教室に戻った。ありがとう、助かった。って。そしたら、澄ました顔して、「別に。」なんてさ。何故か分からないけど、あぁ、かっこいいなって思った。別に恋愛対象が男だったわけじゃないけど、その日から自然にスマイルのことを目で追うようになったんだっけ。
何度か一緒にも遊んだ。門限があるらしくて、夜通しとかはしたことないけど、ゲームしたり、ゲームしたり、ゲームしたり……。あれ、ゲームしかしてないな…。
まぁ、とにかくすごい楽しかったんだ。あんなに寡黙な人間がゲームするのが好きなんて、そのギャップにやられて、気づいたら好きになってた。
半年前くらいかな?何故かだんだん連絡が取れなくて、俺がメッセージを送信しても、返信が1週間後とかザラにあって、なかなか会えなくて、
で、今日。本当に半年ぶりくらいに会う約束ができた。この機会を逃したら多分気持ちを伝えることが出来なさそうだと思ったし、遠距離ってこともあって、片想いで相手が何をしてるのか考える度に苦しくなるのが嫌だったから、告白する。
振られてもいい、でももしかしたら、ってちょっとだけ期待して、待ち合わせ場所に来た。
トントンって、肩を叩かれて振り向いたら、半年ぶりに見る見慣れた顔があった。久しぶりって声をかければ、久しぶりって懐かしい声でそう答えてくれた。
「行きたいところがある」って俺が言って連れ出した場所は当時自分らが通っていた高校の裏。告白するなら思い出の場所がいいって思ったから。
もちろんスマイルはビックリしてた。で、懐かしいな…ってボソッと言ってた。
そんなスマイルを無視して俺は、顔を合わせた。
「ねえ、スマイル。」
「俺、お前が好き。高校の時から、今までずっと。」
「良かったら、ちょっとだけでもいいから、考えて欲しい。」
ちゃんと言えたと思う。多少声は震えたかもしれないけど、言いたいことははっきり言えた。
で、ちょっとだけ違和感を覚えた。
スマイルが驚きもしないし喜んだ顔もしない。ただ、ちょっとだけ悲しそうな顔をした…ように見えた。
そして、そんな顔をした彼から言われた一言。
「ごめん、なさい」
そこで俺の5年の片思いは終わった。
もちろん、心していた結果だ。同性愛って広まってはいるけど、そこまで認められてるようなものでもなくて、しかも、好きな人が自分を好きなんて奇跡でしかなくて、だから振られるのは分かってたのに。
あぁ、これが失恋か。って、実感した。いても立ってもいられなくて、
「そうだよね、ごめん急にこんなこと言って、今日はそれだけ伝えたかったの。だから、じゃあね!…元気でね、スマイル。」
早口になったけど、それだけ言って、泣いた顔を見せたくなかったから逃げるようにその場を離れた。
俺の片思いをずっと傍で見てくれてた、きんときに、「振られちゃった」って、連絡した。そしたら、直ぐに返信が返ってきて、
「そっか、でもシャケは頑張ったよ。大丈夫、もっといい人いるって!」
って励ましてくれた。5年も好きだった相手に振られてるわけだから、そんなすぐには立ち直れなかったけど、でも少しだけ心が軽くなった。
ありがとう、スマイル。俺を振ってくれて。
ずっとずっと好きだったよ。
幸せになってね。
そして、俺はこの街を離れることにした。
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
数年後、俺は務めていた会社の同期に告白をされて、今は同棲をしている。
スマイルのことはもうちゃんと切り捨てていて、今の恋人を愛している。スマイルのことがきっかけで同性愛者になった俺のことを好きになる今の恋人は、ちょっと変な人だけど、俺と同じ同性愛者で、なんだかんだ気が合うんだよね。
「シャークん?ご飯できたから食べよ〜」
shk「あぁ、今行く」
俺は今、幸せだよ。
sm視点
高一の春。入学してそうそうに、俺はきんときってやつから告白をされた。
俺のどこをどう気に入ったのか分からない。彼曰く一目惚れだって。今どき一目惚れですぐに告白するやつがいるか、って思ったけど、彼の目は真っ直ぐ俺の目を見ていて、さらに「今好きじゃなくても、絶対好きにさせるから」なんてキザなことを言われて、了承した。
クラス名簿を見たら同じクラスで、「運命だね」って言われて、そうなのかもしれないって少し思った。
移動教室もお昼ご飯も帰りもずっと一緒。俺がクラスの人と話してると、後ろから急に抱きついてきて、「お前らお似合いだな〜」って茶化されたりもした。いつのまにかクラス公認カップルみたいになってて、それをいいことにきんときはクラスのど真ん中でキスをしてくることが普通だった。
で、俺も俺で本当に単純で、きんときのことを好きになっていた。
帰り道に、ふと、「好き」って言ってしまって、そしたら、きんときのやつ、顔赤くして涙を流したんだよ。そして、その後体を重ねた。
あぁ、愛し合ってるんだなって、実感した。
だけど、高2でクラス替えがあって、クラスが離れてしまった。こればっかりは仕方ないなって思った。だって、彼は文系で俺は理系だから。将来なりたい職業も全然違う。
多分そこからだと思う。きんときがちょっとずつおかしくなったのは。
今まではそんなこと無かったのに、帰り道に俺を襲ったり、いつもは見えないところにつけてくれるのに、首元の目立つところにキスマを付けたり、挙句の果てに「不安だから俺の見えないところで誰かと無意味に話さないで」って。意味わかんないよね。俺も意味わかんなかった。だけど、不安なのは俺も一緒。だから、分かったって答えた。
新しいクラスでは、常に1人で本を読むようにした。別にそれは苦じゃない。本は好きだし。周りの人も俺に話しかけてこないし、話しかけられたとしても「今日提出の課題集めてるんだけど…」って本当に必要最低限のことだけ。
申し訳ないとは思いつつ、きんときを不安にさせるようなことはしたくなかったから、話さなかった。
で、高2の夏。凄い真夏日なのに、外で持久走をするっていうアホ教師のせいで、クラスメイトか倒れた。皮膚が弱くて常に長袖を着ている小柄な人。確かシャークん、とかって呼ばれてるのを聞いたことがある。
その時俺は何故か、足が勝手に動いて、過呼吸気味になってる彼を抱き上げて保健室まで運んだんだ。
話したこともなかったのに、体が勝手にそうしてた。運良く…なのかな。保健室には先生がいたから、運ぶだけ運んで授業に戻った。
喋ってはいない。だからこれはセーフ。って勝手に自分で解決した。もし、窓からきんときが見てたとしても、喋ってないし、って言える。だから大丈夫。
でも、保健室から戻ってきたシャークんからお礼を言われた時は、流石に返答しないと申し訳なかったから、「別に。」って素っ気なく返した。
その後、何度かシャークんに遊びに誘われた。その都度きんときに許可を取らなきゃいけないんだけど、一度も止められたことは無い。ただ、「夜の18時に俺の家に来て」って約束して、その後決まってホテルに行って犯される。
嫉妬ってやつ。正直嫉妬してくれて嬉しかった。クラスが違うだけなのに、俺もだいぶ彼にゾッコンなんだな、って思いながら夜意識を飛ばす。
そして、高校を卒業したあと、おれはきんときと同棲を始めた。
これでお互いの不安はなくなる。やりたいことはあったけど、きんときが「俺がスマイルを養うから、働かなくていい」って言って、俺はいつも家でシャークんとゲームをする。もちろん、通話で。
そして、同棲して約1年。きんときが常に俺のスマホをチェックするようになった。シャークんと連絡を取ってることが気に食わなかったのかもしれない。その日から、スマホは週に一回しか触らせて貰えなくなった。1日の間に溜まってたメッセージを確認して返信して…の繰り返し。
ある時シャークんから遊びに誘われた。高校卒業して以来会ってないし、ここ最近ずっと外に出てないからいい機会だと思ってきんときにお願いをした。
ダメって言われるかと思ったのに、以外にもすんなり受け入れてくれて、俺はシャークんと会う約束をした。
待ち合わせ場所に行けば、既にシャークんは待っていた。彼の私服を見るのはあまりなかったから、つい「かっこいい」って思ってしまった。
いつまでも話しかけないのは流石に失礼だから、スマホの画面とにらめっこしている彼の肩をトントンって叩いた。
すごい満面の笑みで「久しぶり」って言われたから、久しぶりって返した。すごい嬉しそうな顔してた。
シャークんは行きたいところがあるらしくて、歩きながらその目的地に向かった。だんだん見慣れた道路が見えてきて、向かってる先が学校だってことに気づいた。
卒業して1年半くらいしか経ってないのに、懐かしくて、感慨深い気持ちになった。
そして、シャークんに言われた。
「ねえ、スマイル。」
「俺、お前が好き。高校の時から、今までずっと。」
「良かったら、ちょっとだけでもいいから、考えて欲しい。」
そんな気はしていた。
高校の時、俺がシャークんを運んだあの日から、俺に対する態度が変わったのも分かってた。だから、驚きはしなかった。
だけど、
嬉しいって思う自分がいた。
俺にはきんときがいるのに。嬉しいなんて思っちゃダメで、ちゃんと断らなきゃいけないのは分かってるのに。
でも顔を真っ赤にしながら少し震えた声でそういうの彼に少しだけ見惚れてしまって、すぐに頭の中で首を振った。
違う。俺が好きなのはきんときだ。きんときがいる。俺を愛してくれるのはきんときしかいない。
「ごめん、なさい」
俺はそう言うしか無かった。人を振るってこういう気持ちなんだ。「振る側も辛いんだよ」って言うのをどっかで聞いたことがあるけど、本当にそうなんだなって思った。
そしたらシャークんは、目に涙を浮かべて
「そうだよね、ごめん急にこんなこと言って、今日はそれだけ伝えたかったの。だから、じゃあね!…元気でね、スマイル。」
そう言って足早にその場を去ってしまった。俺も帰ろって思った時、きんときから電話がかかってきた。
☏
<もしもし?>
「もしもし、きんとき。どうしたの?」
<ちょっと心配で>
「心配?大丈夫だよ?そんなことより、今から帰るね。」
<そっか!じゃあご飯用意して待ってるね>
<大好きだよ、スマイル>
「うん、ありがとう。俺も大好きだよ」
☏
さて、俺も帰ろうかな。きんときが待ってるから。
なんで心配だって思ったのかは分からない。もしかしたらちょっと遠出をしたからなのかもしれない。
やっぱり俺愛されてるな。ってちょっとだけにやけながら家に帰った。
俺は今、シアワセだよ。
コメント
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これは国宝です
失恋……悲しいけどちょっといいですね……