「おかえり」
瞬きができなかった。
もし瞬きしたら、瞳に映っているものが消えてしまうんじゃないかと思えて、必死に目をこらした。
でも、彼の姿は消えない。
紀坂(きさか)は呆然とする私のとなりに来て、積まれた私の本の一番上を手に取った。
「「夢の続きは空の上」。いいタイトルだね」
私の書いた本の表紙を眺め、ひっくり返して裏表紙も眺めつつ、紀坂が言う。
微笑む彼と対照的に、私は固まっていた。
どうして……彼がいるの。
そう思うものの、声にはならず、ただ信じられない気持ちで紀坂の横顔を見つめる。
彼が本から目を外してこちらを向き、すぐ近くで視線が重なった。
その瞬間、心臓が飛び出すんじゃないかっていうくらい、大きな音を立てる。
「これから食事でもどう?立ち話もなんだし」
それは初めて彼と体を重ねた後、偶然再会した時に言われたのと同じ台詞だった。
彼と最後に会ってから、**********************
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