TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
ゴールデンカムイ 夢=腐

一覧ページ

「ゴールデンカムイ 夢=腐」のメインビジュアル

ゴールデンカムイ 夢=腐

6 - 第6話 尾形:執着/立場逆転シリーズ3

♥

38

2024年03月29日

シェアするシェアする
報告する

ogt/執着

戦死した元第七師団所属(なまえ)伍長は、明治から令和へと前世の記憶を宿し生まれ変わり、今世でもまた、国に貢献する形で自衛隊員となった──のだが…その所属先は陸上自衛隊第七師団…前世と似たような空間…。

──宇佐美らしき人がいる…

しかも陸上自衛隊第七師団には前世で見知っている者までいて、(なまえ)は驚愕してしまった。

「お、お前…名前なんて言うんだ?」

「宇佐美だよ。宇佐美時重。逆にお前の名前はなんて言うの?」

まさかのフルネーム全てが前世と同じとは。

「な、(なまえ)…簪原かざはら(なまえ)」

*

前世での繋がりのせいか、宇佐美とは同室になってしまった。心底最悪だとしか言いようがない…。

「はぁ…」

まぁ、それだけでも充分にマシな方だろう──尾形がいないから。

機嫌を戻した(なまえ) は、 ルンルンと部屋へ戻る途中で、誰かにぶつかり尻を突いてしまった。

「す、すみません…」

「大丈夫か?」

この声は──月島軍曹!?あんぐりと口を開けたままの(なまえ)に、月島は手を差し出す。

「あ、あ、あ、ああありがとうございますっ…」

恐る恐る掌を掴み立ち上がる(なまえ)は、月島の横に人影が写っていることに気づき、影の正体であろう人物をそろりと見据えた。

──ま、まじかぁぁぁ…そこは鯉登少尉だろ!

「あ、あ、あぁぁ俺戻りますっ、ありがとうございました!!」

月島の横にいる者といえば鯉登。だが、何故か…何故か、いないと思われた尾形百之助が佇んでいた。

あまりの衝撃に血の気が引いしまった(なまえ)は、その場をすぐに退場しようとするが、尾形により阻止されてしまう。

「お前は一等陸士か?」

「は、はぃ…」

「名前は?」

この問いには答えたくはない。だが、態度からするに尾形は上の位の者で間違いない。

「か、簪原(なまえ)と言います…」

ジーッと見詰められるのに耐えきれず、(なまえ)は目を逸らす。

「も、戻ってもよろしいでしょうか?」

冷や汗がダラダラと有り得ぬほどに流れ出る。まるで滝のようだ。

「あぁ」

この反応は…どうやら尾形、(なまえ)の憶測によると前世の記憶を持ち合わせてはいないらしい。なんとも冷静な、前世と変わりのない尾形だった。

これで一安心、だとは思う。でも、自分のことを忘れ去られてしまっていると考えてしまうと、とてつもなく切ない。(なまえ)は──本当に欲張りだ。

「宇佐美…なんで俺のベッドでくつろいでんだよ…」

部屋へと無事に帰還することが出来た(なまえ)は、自分の荷物が置かれたベッドでスマートフォンをいじくっている宇佐美に苛立ちを表す。

「え〜。別にいいでしょ」

宇佐美の言動にカチンッと怒りは募るものの、(なまえ)はため息だけを吐き出し宇佐美のベッドに寝転んだ。

「じゃあこっち使うから…」

「どうぞ〜」

どうしてなのかは理解が出来ないが、(なまえ)と宇佐美だけしかこの部屋にはいない──通常の自衛隊というものは、少なくとも三人が同室で生活することになる。

「なんで俺と宇佐美だけなんだ?」

不思議に思う(なまえ)は宇佐美に訊ねる。

「僕に聞かれても分からないよ。隊員が少なかったとかじゃないの?」

「そうか…」

渋々納得した(なまえ)は眠りにつこうと目を瞑った。


loading

この作品はいかがでしたか?

38

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚