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「よく分かります。広瀬さんは、このまま住み込みが希望ですか?これを機に、通いがいいとかありますか?」
「私は家庭の事情で、住み込みを希望していて…月曜休日という、今のままがいいです。主人が早くに亡くなってから、家にいるのがしんどくて手放しました。息子夫婦が理髪店をしているのですが、そこが月曜定休日なので…そんな訳で今のままを希望します」
「今、うまく生活出来ているならそれが一番ですね。では、田中さん」
「はい」
「広瀬さんは住み込みのまま、田中さんも週2回のままで、あとのお二人は来週からお断りします。何も彼女たちを切ると言わなくていいですよ?依頼する家事作業が減ったので、と会社へ報告してください」
ご主人様の決断は早い。
「承知致しました。様子を見て、どこか足りないところが出てきた場合には、単発でのご利用もご案内出来ますので、いつでもご相談くださいませ」
「真奈美さんの上司は素晴らしいね。不必要な人員配置はしない。営業はしっかりする。文句なしですね」
「はい……このあと私…本当にどうなるのか分からないですが、田中さんには会社への対応とかご迷惑をお掛けして申し訳ありません。制服のことなど、また指示をお願いします……今日のエプロンはダメになってしまいました…すみません…」
「それは大丈夫。書類もあるから、来週持って来ますね。では本日はこれで失礼します」
田中さんが帰ると
「真奈美さんの今後については、ここに引き続き住み込み勤務してくれる広瀬さんとも相談になる部分もあるだろうから、このまま一緒で構わないかな?」
ご主人様は私と広瀬さんに確めた。
「「はい」」
「まずはケガを治してからだね。明日から2階へはリフォーム業者が出入りするので、しばらく1階のことだけしてもらえばいい。それでいいね、篤久」
「はい。洗濯物はシーツなども自分で出せばいいし、必要な時に声は掛けます。これからもそういう感じで問題ないかと。工事中は業者が毎回帰りに玄関の清掃をして行くはずですから、そこも必要ない」
「分かりました」
「私も、膝が痛いですけど…他はそうでもないので、これまで通り出来ます。でも……本当に私がここにいてもいいのでしょうか?」
私は向かいの中園親子を見た。
「ご両親にも伝えて来ました。理由があれど騒がせたことで会社にいられなくなっても、真奈美さんは中園で雇用しますのでご安心ください、ってね。今の会社の研修がよかったのか、所作や言葉遣いなんかも秘書が出来そうなくらいですから、とお伝えしたらお二人ともひどく恐縮されたけれど、私は出来ると思っているよ。パソコン周辺機器に強いこともわかったからね」
「それは……褒められた行為ではなかったので、本当に申し訳ございません。両親を安心させていただくお心遣いありがとうございました…」
両親にそんな対応をしてもらっていたなんて…
「両親を大切にしてもらうのは……何よりも嬉しい……です」
「あんな事があって…そうよね、自分のことより…そうよね…」
視線を下げた私の隣で、広瀬さんがウンウンと頷いている。
「真奈美さんは、父さんの言ったように、お世辞でなく何でも出来ると思う。自ら行動も出来るし、サポートも出来るタイプ……俺専属で仕事してくれるのが一番嬉しいけど、どう?」
コメント
5件
永久専属て言わないと伝わらんね。。。︎💕(ん?ソレでもダメかな?(笑)ꉂ🤭) ご両親の為にも働いてるならば 真奈美ちゃんも昼は中園家で働きながら〜 ん〜、夜もちょっと呼ばれてしまうかも?だけどね❤❤❤🤗
俺専属って🤣🤣🤣
一瞬よソフトに聞いてるようだけど、その質問の仕方って、もちろん答えはイエスだよね!攻め!ですよね〜篤久様🤭逃がさないぜ😎ですよね〜🤭 広瀬さんも篤志様も篤久様のお気持ちわかってるからねー。もちろん田中さんも!!! 真奈美ちゃんお付き合いうんぬんではなく、最初の一歩。お受けしたらどうかな〜☺️真奈美ちゃんだって1番嬉しいでしょ🤍ྀི 篤志様のお心遣いでご両親も安心してらっしゃるしね🥹