今日も今日とて学校にいく!たくさんの金魚ちゃんたちを連れて!
そう、なにを隠そう金魚ちゃんたちは毎日増やして今や10匹を超える。
さすがに10匹以上飛んでると鬱陶しいので、11匹目以降は白い空間に置いてきている。
さすがに多すぎると気になるのだ。
だんだんとあやかしがいる日常に慣れてきた。いや、慣れてはないが見慣れてきたと言ったところだろう。
さすがに空を飛んでいた中年のおっさんの顔に長い髪だけの気持ち悪いあやかしには驚いたが、まぁ、よしとしよう。
土地いわく、あの馬鹿でかい顔だけのあやかしは中級のあやかしらしいのが、とてもおとなしい性格で、人に危害を加えることはまずないとのこと。
正直あんな気持ち悪くて大きくて強そうなあやかしとは戦いたくない。
あと学校には結構幽霊がいる。もうそこらじゅうにいる。それも目を合わせると襲いかかってくるやつまでいるから最悪だ。
襲いかかってきたらうちの金魚ちゃんたちが黙ってはいないが…
そういえば最近ずっとこっちを見てくるクラスの女の子がいる。七瀬 凛さんだ。黒髪ロングで顔が小さく、目が大きい控えめに言って美人だ。
僕も思春期だ。一瞬僕に気があるのではないかと舞い上がってしまったが、そんなことはないだろう。
だって話したことないし。
だとしたらなぜ急にこちらを見てきているのだろうか。急に見てくるとしたら、あやかし関係だろうか?
しかし、彼女はあやかしや幽霊が見えているようには見えないし…
なぜだろう?気になった僕は金魚ちゃんを1匹バレないようにその子につけて尾行させた。なにか分かれば、土地を通じて僕に伝えてくれるだろう。
え?ストーカーじゃないかって?
いやいや、こちとらあやかしに狙われることもあるのである。なので、これは断じておかしなことではない。
今日も学校が終わり、友達とだべって、そろそろ帰路につこうとしたところ土地から話かけられた。
ー真広が気にしていたあの子、あやかしの類が見える子のようですよー
「え!あの子霊感あるの?」
ーはい。他の人より少し霊力が高く、見える体質なのでしょうー
「本当にあやかしとかが見える人が僕以外にいたんだねぇ」
ーそりゃ、沢山いますよ。真広が知らないだけで。あなたのお爺さんも祓い屋でしたしー
「え!?ちょっと待って!おじいちゃん祓い屋だったの!?」
ー知らなかったのですか?まぁ、そんなことより今あの子あやかしに追われていますよー
「知らないよ!七瀬さん追われてるの!?だからそう言う大事なことは早く言っててば!」
ー大事なこと?お爺さんのことですか?追われてる娘のことですか?ー
「どっちもだよ!!とりあえずはやく助けに行こう!どこにいる?」
ーすぐ近くですよ、向こうの通りですー
僕はすぐにその通りに向かい七瀬さんが捕まりそうになってるのを発見した。
僕はすぐに彼女の近くにいる金魚に命令した。
「そいつを倒せ!」
ピュン!そのあやかしは眉間を金魚に撃ち抜かれ絶命し、黒いモヤとなり消え去った。
「私助かったの?どうして?」
「大丈夫?」
僕はその子に近づいて安否確認をしようとしたら
「ゔぇーん!」
なんとその子が大泣きして抱きついてきたのだ!
僕はもちろんインキャで(まぁ、田舎の学校にインキャとか陽キャとか関係ない気がするが)彼女はできたことがない。もちろん普段から女性とお話もすることはない。
つまり僕は女性に対して耐性がないのだ。七瀬さんは美人だ。そしていい匂いがする。
一人は大泣き、もう一人は顔真っ赤口パクパク状態のパニック状態がしばらく続いた。
「落ち着いた?」
しばらくして泣き止んだ彼女に声をかけた。
もちろん僕は落ち着いているわけがなく心臓がバクバクいっている。
「うん、もう大丈夫。助けてくれてありがとう。」
「いえいえ、無事ならよかった!」
「でも、どうして私が危ないってわかったの??」
「あー、それはねぇ」
僕は七瀬さんに見られていて少し警戒していたこと。
金魚を1匹つけていたことを正直に話した。
「気づかれてたの!?恥ずかしい!ごめんね!私と同じものが見える真広君が気になって見てたの!」
向こうは僕が見えることに気づいていたのか、まぁ、見える人から見たら金魚がいっぱいまとわりついてる人は目立って仕方ないか…
ぼくは七瀬さんが見えてることに全然気が付かなかった。
「僕はさっきまで七瀬さんが見えることにまったく気が付かなかったよ」
「うん、私わざと見えないふりをしてるんだ。目が合うとさっきの怖いのみたいのに追いかけ回されるときがあるから…」
「そうゆうことだったんだねぇ」
「ねぇ、あっちの公園のベンチでもう少しお話しできないかな?」
七瀬さんが顔を赤め、もじもじしながら言ってきた。
もちろん返事は決まっている。
「喜んで!!」