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僕は今、七瀬さんと公園のベンチに座っている。時刻は大体17時くらいだろうか。6月なのでまだ太陽が出ていて明るい時間帯だ。
「真広くんは今までどうやって暮らしてきたの?」
「どうやってて?」
「私は今まで見ないようにしてきた。もしも追いかけられたら逃げてきたの。涼風君は今までどうしてきたのかなって」
「僕は最近見えるようになったんだ、だからあんまり参考にはならないかも」
僕は金魚ちゃんたちが守ってくれてるし…
「え!今まで見えてなかったってこと?突然見えるようになることなんてあるんだ」
「あははー、みたいだねぇ」
土地神になったからだなんてとてもじゃないが言えない。
もしも七瀬さんにいってあやかしにでもバレたりしたら僕は食べられてしまうだろう。
今のところ低級のあやかししか戦っていないが、この前空を飛んでいた顔だけの中級のようなレベルのあやかしが来たらおそらく僕は勝てないだろう。
だから力をつけるまでは絶対に誰にもばれちゃいけない。
「そういえば、その金魚はなんなの??さっきの妖怪倒したのもその金魚だったよね?」
「あー、この子たち?この子たちはねー、んー、ごめん秘密でもいいかな?」
だめだ、咄嗟にいい言い訳が浮かばなかった。
「うん、わかった。いいよ。」
思ったよりあっさりと引いてくれた。
「私も親にすら変なものが見えること言ってないからこう言う見える体質の人たちは秘密の一つや二つあるのが普通だとと思うから」
「なるほどねぇ」
めちゃくちゃいい子やなぁ
「ねぇ、私も真広君みたいに強くなれる?」
「んーー」
強くなる方法とかまったくわからん!
どうしよ?
ー強くなるには師匠などをつけて長年修行を積むしかないでしょうねー
「修行とかかな?」
「どうやって修行すればいいの?」
まったくわからん!
ー真広は土地神ですので、普通の祓い屋とは力の使い方が異なります。なので、真広が教えても無駄でしょう。もう一つ、巫女にすれば真広の力を分け与え、力を増幅することができますが、もともと戦う力がなければもっとうまそうな人間になるだけですー
巫女とかにもできるんだ。えー、じゃあどうすればいいの?
ーはい、人間を眷属にすると巫女にという扱いになります。そうですね、札を渡して身を守って貰えば良いのではないでしょうか?ー
人間も眷属に出来るんだ…え、札なんてもってないよ!
ーあなたは神の端くれですよ?あなたが作るのですー
どうやって?
ー紙や木などの媒体にあなたの力を封じ込めて作るのですー
紙?いまルーズリーフしかもってないけど…
ー媒体や力にによって札の力は異なります。良い媒体で良い力ならより良い札になります。普通の祓い屋ではルーズリーフで札を作るなどできるはずありませんが、あなたの力は神の力。ルーズリーフの札でも力を発揮できるでしょうー
まじか、じゃあ作ってみるか。
僕はカバンからルーズリーフを取り出して土地の言う通りに札っぽいサイズに切り、中央に「滅」と書いて、力を札に込めた。
もちろん七瀬さんはいきなり始めた僕の奇行に目をぱちくりしてみている。
これで本当に大丈夫なの?
ー大丈夫でしょう。下級のあやかしや幽霊の類はこの札を向けて滅と言えば札が発動し祓えるか追い払えるはずですー
「七瀬さん、僕は七瀬さんに修行をつけることは出来ないけど今札を作ったからこれで弱いあやかしとか幽霊なら倒せるよ!」
「え、それルーズリーフだよね?札ってそんな感じで作るの?」
それはおれも思う。
「だ、大丈夫!ちゃんとしたお札だから!使い方はこの札をあやかしとか幽霊に向けて滅!って言えば使えるから」
「わかった。ありがとう!今度危ない時に使ってみるね!」
「うん!でも、あんまり強いあやかしとかには効かないから気をつけてね!」
「わかった、その時は真広君のところに行くね。だめかな?」
そう言って七瀬さんが上目遣いで首を傾げた。
「ま、任せて!!」
七瀬さんかわいいぃ!!その時は頼んだぞ金魚ちゃんたち!
「ありがとう!頼りにしてるね!」
あぁ、土地神になってよかったぁ。
ーなによりですー
そのあと少し話をして暗くなってきたので七瀬さんはを家まで送ってお別れした。
自分用の札とか作っとこうかな…
ーあなたはその場で力を使えますし、その場で力を使った方が強いと思いますが、疲弊しきっている時はいいかもしれませんねー
「え!滅!とかできるの?」
ーもちろんですよ。あなたは自分が思っている以上に強いですよー
「じゃあ、この前空飛んでた顔だけの中級に僕勝てる?」
ーそれは無理だと思います。彼は中級でも上の方ですしここら辺一帯で五本の指に入る強さですよー
「無理なのかよ。やっぱあの顔のやつ強いね。つーか、ここら辺強いやついないって言ってなかった?」
ーあなたを狙ってくる強いあやかしはこの近くにはいないと言う意味ですー
「強いやついるにはいるんだ」
ーもちろんいますが、この近くでは、強いあやかし同士でナワバリ争いなどはまったく起こらないので平和ですー
ふーん。
僕は家に着いて、晩御飯を食べて家族と談笑し明日の学校に備えて眠りについた。