えんら「まあ、使い方は、おいおい本番で教えるわ」
コマ「本番?」
コマの尋ねにえんら先生は無駄にセクシ~に体をくねらせ、ポーズを決める
えんら「そう!これから貴方達には、学園に蔓延する暴力を撲滅してもらいます!」
「「「ええええッ!!」」」
えんら「もちろん!そこの後ろで聞いている貴方も…」
マタロウ「!!(気ずいてたんだ…)」
どうやら、えんら先生はさきほどからマタロウの存在に気付いていたようだ
えんら「この秘密を知った以上、手伝ってもらいますよ!」
マタロウ「ええええッ!!」
今度はマタロウが叫ぶ番だった
こうして、ジンペイとアゲハとコマ、そして『たまたま』巻き込まれてしまった
マタロウの4人は、テストに挑戦することとなった
~in 保健室の奥~
スクリーンのある薄暗い部屋で、4人は『野生の不良』というタイトルの
短編動画を見ていた
スクリーンには、炎のように燃え盛るようなオレンジと赤の髪を逆立てた
如何にも不良のような少年が映ると、先生が説明を始める
えんら「彼は『雷堂メラ』。
優しい生徒だったのに、ある日突然、
暴力的になり番長に君臨するようになったわ」
コマ「でも、この学園では『小社会』というコンセプトで
不良も容認されているのではないですか?」
コマの問いに先生は答える
えんら「ただの不良ならいいんだけど、どうやら妖しい力を使っているらしいの」
アゲハ「妖力ってことですか?」
えんら「そうね。
見えない力で相手を吹き飛ばしているみたい」
スクリーンに映像を見ると、確かに大勢の不良達はメラに吹き飛ばされている
ジンペイ「つまり、此奴を倒せばいいって訳だな。
正義の心が疼いてきたぜ!」
マタロウ「ウッ!ヒーロー的なそのセリフ、ちょっと刺さる…!」
マタロウはジンペイの言葉に目を潤ませる
えんら先生は宙に『なにか』を放った
ジンペイはそれをキャッチする
それはイヤーカフ型の通信機だった
えんら「あなたにはこれ」
えんら「あなたが、困ったときは言ってボソ」 ←アゲハにしか聞こえない
えんら先生はそういってアゲハに、月形のイヤーカフ型通信機を渡した
えんら「では4人共!番長・雷堂メラを倒して!
この学園の暴力を撲滅して頂戴!」
ジンペイ、アゲハ、コマ、マタロウの4人は、校舎の荒れ果てた一角にある
薄暗い廊下を、奥へ奥へと進んでいる
マタロウはさっきからビクビクしていて、ジンペイの制服の袖にしがみついてる
マタロウ「学校にこんなところが…さ、流石小社会…」
コマ「スラム街って感じですね」
ジンペイ「…雰囲気出ていいじゃん」
アゲハ「ちょっと、怖いけどね…」
ジンペイは先程から何故か不機嫌である
マタロウもちょっとばかし不機嫌である
何故なら…
コマ「アゲハちゃんの手って、意外と冷たいんだね」
アゲハ「そうかな?コマ君の手は私と違って温かいね!」
コマ「まあね!」
アゲハとコマが手を繋いでいるからである
事の発端は数分前
コマ「ね、ねえねえアゲハちゃん」
アゲハ「ど、どうしたの?コマ君、怖いこと言わないでよ?( ;∀;)」
コマ「こ、怖いから手、繋いでもいい…?」
アゲハ「いいよ!私も怖かったから…」
メラ達のアジトに行く前に通る道が余りにも不気味だったのでコマからアゲハに
いい出し、手を繋ぐこととなった ←まぁみんな好きだからね~仕方ない…
密かながらもコマはアゲハと手を繋いでいることに意識している
コマ「(アゲハちゃんの手柔らかい…//// なんか良い匂いするし…////
正直言ってずっと握っておきたい…//////)」
そんなこんなで4人は、机や椅子などが
積み重なってるバリケードの前までやってきた
ジンペイ「ここか…」
天井のライトは点いたり消えたりして、とても不気味だ
ジンペイはバリケードの横にある教室のドアに手をかける
すると、それはガタンッ!と大きな音を立ててはずれ、倒れた
マタロウはビビッて顔を両手で覆う
アゲハは、少し涙目だ
ジンペイを先頭に、4人は入っていく
前方には机が積み上げられ、その上に玉座のようなイスが一つ置かれている
そこには、映像で見た少年__雷堂メラが頬杖を突き、足を組んで気だるげに座っていた
ジンペイ「おい!お前が雷堂メラか?」
メラ「ああん?気安く話しかけてくるそこの少年は、
俺様の知り合いだったか?なあ、獅子黒」
獅子黒「記憶にありませんね」
メラのそばに控えている大柄の黒く焼けた肌の男性は『獅子黒カズマ』である
顔にやけどの痕があり、威圧感が半端なかった
だが、ジンペイは、2人の威圧感に怯んだりしない
ジンペイ「おいッ、やいやい!天に代わって正義の鉄拳、お見舞いパーリナイッ♪
今夜は帰さないぜッ♡ お前の暴力は、今日撲滅される!」
そう言って、半ば無理やりアゲハとコマと一緒に腰振りダンス!
それに釣られて、マタロウも踊ってしまう
そんな4人を獅子黒が物凄い形相で睨みつけてくる
マタロウはアゲハ、コマはジンペイの後ろにサッと隠れた
すると突然、メラが指をボキボキと鳴らしながら話し始める
メラ「クックック…。 俺は支配者のスキルを学ばせてもらってるんだよ。
このありがたい『小社会』でな!」
メラは、不敵な笑みを浮かべ、両手をバッと横に開く
ジンペイも拳を突き上げる
手首にはYSPウォッチが輝いている
ジンペイ「お前の悪行、天が許してもこの俺が許さない!!」
そういってジンペイは、メラをビシッという効果音が付きそうなくらいに指さした
そんなマタロウはジンペイのカッコよさにメロメロ
マタロウ「いちいち刺さるわ~!」
ジンペイ「俺は力で人を従わせるヤツが大っ嫌いなんだ!
お前を成敗する!!」
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