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真夜中。
ロボロは静かに目を閉じていた。
また、夢を見ている。
今までの夢と少し違っていた。
色が、やけにリアルだった。
遊園地のゲート前。
子どもの頃の自分と、隣にいる――笑う誰か。
「はぐれたらアカンで、ロボロ」
聞き覚えのある声。
でもすぐに名前が出てこない。
手を引かれて、笑ってる自分。
ティーカップに乗って、アイスを頬張って、観覧車で隣に座って――
夢の中で、確かに思った。
『ああ、これは今日のことやない。
もっと前に、俺はこれを経験してる。』
目が覚めた時、ロボロは涙で枕を濡らしていた。
でも、もう怖くなかった。
失われた何かが、少しずつ自分の中に戻ってきている。
そんな気がしたから。