TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

いつもの昼下がり。すみれのお世話をしながらよっこいせと床に座ってみる

嫁が布団で寝ていて、気持ちよさそうにスピスピと寝息を立てて眠っている。

すみれが俺の裾を引っ張る。どうしたどうしたと笑いかけた。

少し疲れた。茶でも飲もうと。そう思い立ち上がると、木の間から、人が現れた。



_前の人だ



少し反応に遅れた。また、匂いがしなかったもので、驚いた。

すみれは気付いて居たのだろうか。


急いで駆け寄り、また一礼をした。


「お久しぶりです!何故ここにいらしたのでしょう?」


「特に理由は無い。少し、寄り道をしようと」


「そうですか!お茶でもお出ししましょう!こちらへ」


すみれを抱きながら、縁壱さんを案内した。

私の身で家の中に入るのは流石に無礼だと、断られてしまった。

すみれをどうしようと、迷っていたら縁壱さんから私が持とうと言ってくれた。


俺は、縁壱さんが素直にすごいと思った。あの華麗な技を、俺はもう一度見たかった。だが、流石に無礼だ。


「お茶が入りましたよ 」

「ああ、ありがとう」

「いやあ、よく寝てるなあ。」

「すみません、女房も寝てしまったようで。」

「本当に申し訳ない。客人に子守りをさせてしまって」

「気にするな」

「疲れているのだろう」


…本当に、お優しいか方だ。

山奥で暮らしているような、ただの夫婦に、ここまで尽くしてくれるとは。

優しくて、強くて、とても、とても…。



縁壱さんは、お茶を飲むとまたすぐに帰ってしまった。

長居しても良かったのに。


縁壱さんの目は、いつも寂しそうな目をしていた。依然として、そんな匂いはしないけれども。なんだか、なんだかとても寂しそうで、悲しい目をしていた。でも、それすらも美しい気がした。本当に、同じ人間なのかとも思った。


ただただ、美しかった。

この作品はいかがでしたか?

43

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚