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「───で、」
「んぁ?」
彼の目の前にしゃがみ込んだまま、最も気になることを聞いてみる。
「キミは一体、どこの子だい?」
ご近所さんにこんな可愛い顔した男の子がいたら私のイケメンセンサーが発動しているはずである。
「麦わら海賊団!
俺はモンキー・D・ルフィ!海賊王になる男だ!!」
・・・ん?
「・・・か、海賊?」
「おう!今はグランドラインに・・・ってアレ!?なんでおれこんなとこにいんだ!?ここどこだァ!?」
「東京だけど」
「トーキョー?」
「そ。日本の東京」
ニホンのトーキョー、と呟いては不思議そうな顔をする。
「ここのログはどれくらいで貯まるんだ?」
「・・・ログ? なぁに、それ」
「ん~、おれもよく分からん!
でもナミが言ってたぞ。あ、ナミはうちの航海士だ!すげーんだぞ、元泥棒だ!」
「航海士、泥棒・・・」
あまりにも自分とは無縁の職業。
・・・泥棒は職業じゃないか。
「おう!コックに剣士、医者や狙撃手、船大工に考古学者に音楽家もいるぞ!」
皆すげーいいヤツらなんだ!と彼は嬉しそうに話す。
「・・・それが、麦わら海賊団?」
「そうだ!そしてこのおれが船長!海賊王になるのが夢だ!」
「そっかー。で、そのお仲間さんはどこにいるの」
「わからん!」
思わずずっこける。
そんな自信満々に言わないでよ。
「ていうかルフィくんはどうやってここに来たの?」
「どうやって・・・、どうやってー・・・、
あ!おれ海に落ちたんだ!そっから覚えてねェ!」
「海?ここ、海からかなり離れてるけど」
「そーなのか?ニホンって島のトーキョーってとこなんだよな」
「島ねぇ・・・。あ、でも日本は島国か」
「グランドラインのどの辺りだ?
あ、そうだ電伝虫あるか!?」
「なにそれ聞いたことない」
グランドラインとは一体どこだ。
電伝虫、・・・でんでん虫・・・かたつむり?
「グランドラインなんて無いし、電伝虫?ってのも知らないよ。
船から落ちたってことはお仲間さん、今頃海の上なんじゃない?」
「グランドライン知らねェのか!?
じゃあゴールド・ロジャーは!?」
「・・・ゴールド・ロジャー?」
「えぇぇええ!?!?知らねェのかァ!?」
「ちょ、近所迷惑・・・!」
あまりに埒が明かず、時刻は深夜1時を越えてしまったので、一旦家にあげることにした。
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