テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
そ 。
154
44
Mami
556
夏祭りなら地元でええのに、わざわざ鎌倉まで行った。しかも2週間の旅行。俺の雑誌が中々売れとるらしい。
父さんはカメラマンやから、俺の雑誌をやっとるけど、俺はフリーで、スタジオは基本どこかを借りてた。やけど、俺のファンやって人達がファンクラブを作って、寄付してくれる。貢ぎもんしたいらしい。懐を痛まんようにってSNSで話したら、なんか更に寄付が増えた。なんでや。
専用のスタジオや、日本の旅行に来た時に俺のプレーを見て、雑誌の方もファンになり、門叩いて、マネージャーになりに来たドイツの人とか、色々あったけど、収益がかなりあるらしい。それ故に、夏祭りが中々派手だという鎌倉に行こうという話だ。なんでも4日間の昼から夜遅くまでするらしい。結構長くやる。
そんで、姉貴が女物を渡してきた理由は、姉貴なりに俺を心配したらしい。変装しても気づく人は気づくけど、性別が違うなら視線を多少マシにならないか、という考えだ。
本音は、絶対自分が着られへんもんを着せたいとか、着せ替え人形にしたいとかやろうけど、心配もわかるので、女装することに。
中々トンチキやけど、実際旅行前も特に気づかれへんかった。なので、鎌倉旅行も女装に。室内に風呂場があるとこを選んでくれた。女装やから、温泉に入られへんけど。全然気にせぇへんのに、両親も姉貴も、備え付きの浴室に入ろうとしていた。温泉に行かせたけど。
2週間の中盤、4日間、当然祭りに行った。
黒の長髪をハーフアップにして、水色に波紋が描かれた浴衣と黄色の帯と帯紐、白地に青い花が沢山書かれた中々雅な扇子、んで、顔の上半分を隠す黒に白と水色のグラデーションの狐面。腰に予備で渡された白バージョンもある。
色々物入ったカゴ巾着引っ提げて、傍から見たら一人で来た女子小学生にしか見えないだろう。姉貴も両親もはぐれてしまったけど、特に気にせず歩く。ここの祭り結構広いから、しゃぁない。
祭りの端の方に来てもうたみたいや。って、んぁ?
あの黒い肌に、黄色の髪、前髪が纏めて分けられていて、毛先が少しピンクになってる、サッカーボール抱えた、一人の少年…まさか、ネットで黒ギャルとか言われてる下ネタ発言ばっかの士道龍聖か?!
周りから孤立しとるやん…変なやつらに絡まれてへん?大人の女の人らか、顔がええし、一人でおるから、強引な逆ナンしとるんか。めんどいな。正直助けにいかんでええけど…流石に助けに行くか。俺の中のイマジナリー愛の狩人がノンノン言っとるし。
「何しとるんよ、私と祭り行く言うとったやん。その人ら誰?」
「!…あぁ、ごめん♪ありがとう、あの人たちは気にしなくていいよ〜」
そそくさと大人の女の人らが出ていった。舌打ちしとったけど。
「ふぅ…ありがとう、助かったぁ〜♡ ところでなんで助けてくれたの?」
「あぁいう変な大人はさっさと無視した方がええからな。それより、大丈夫やった?怪我は?」
「ないよ〜。」
「んじゃ、私に付き合ってや、助けたんやから対価くらい頂戴な。私、旅行で来たからこの祭りよく知らへんねん。案内してや」
「え〜、そんなのでいいのぉ?もっとこう、お金とかさ、心が爆発するようなこととか」
この時から爆発とか言っとるんか
「別にええよ、そんな将来的なことより、この瞬間を楽しむんや。旅行ってそういうもんやろ?」
「…そーいうもん?」
「聞かれ返されても。ほら、行くで。案内役さん」
「いいけどさ、家族は?」
「はぐれたけど、連絡した。あんたは?」
「ちょっとした家出気分♪」
「ふぅん、そぉか。この祭りでおすすめって何かある?」
「ん〜…俺のおすすめは射的かな〜、バンッて撃って、物が落ちる。いいものを手に入れた時とは心が燃えない?」
「たしかに、結構嬉しいな。よし、射的やるわ、案内頼んだ」
「はぁい、ナビ開始〜♪」
お互い名前を話さんかったけど、結構ええ関係やったと思う。あいつもにこにこしとったし。4日間、いちゃらぶって訳ちゃうけど、俺がナンパされたり、士道がナンパされたりとそれなりにナンパだらけやった。士道は結構顔整ってるからわかるけど、俺はなんでや。いや、スキルで魅了系あるからか?でも、抑えてるからまだマシやで?女装で効果ちょっと増えたんか?
鎌倉旅行も終え、祭りの最後に士道におもちゃの指輪と結構綺麗でしっかりした耳飾りと髪飾り、そんで焼きそば貰った。なんでその組み合わせなん。フルーツ飴と狐面をあげたら、面白がられた。この祭りのフルーツ飴と狐面結構ええもんやで。厳選やで。
鎌倉旅行終えたら雑誌の売り上げで、俺の日常用の女装服ができてた。スタジオのファン(衣装係)がめっちゃ頑張ったらしい。ありがとう。代わりに覚えたファンサってやつをやった。倒れた。疲れは吹き飛んだらしい。良かった。
あと少しで学校が始まる。冬休みは何をしよっか?
___
ちょっと省エネにしました。士道くんエミュムズいよ〜。
成り代わり烏
サラッと捻れた世界の愛の狩人さんを呼んだ。愛の狩人さんならあの人たちをやっつけちゃいます。この子の方がまだ温情。
…
なんで(1度目と現在の人生が)人間とはいえど、元刀の付喪神より温情ないんだ愛の狩人。サラッと女装した。
姉貴の心は十分で割ると[4:3:3]で、姉の心配が勝った。女装しても美少女。いと麗しき女神よで狙われまくったのだが、奮励の精神で近寄れなかったのが大半。ナンパしたのはごく一部
あまりの美少女に心が爆発して踊った少年
強引な逆ナンに殴ろうか悩んでた所に、美少女が助けに来てくれたけど、中々図太い大阪人だった。けど、見た目は儚げ麗人美人系で綺麗で穏やかな少女。最初は逆ナンとかのめんどいのあんまり来ないし、案内だけだから適当に相手して終わろ〜って思ってたのに、最後まで付き合った。ちょっと恋してるけど気づくのは、あの子と別れを告げて、会わなくなってから。けど無自覚でも、おもちゃの指輪としっかりした店の屋台で買ったイヤリングと髪飾りをあげた。焼きそばは、女装烏が食べてる時、すごく興奮したから。なんでなのかはまだ分からない。ちなみに、女装烏の前で下ネタを言わなかった。なんでかはわからん。あいつ初恋キラーやん。
コメント
1件
読み終えました〜!第4話、めっちゃ好きです。女装で祭りに行って、あの下ネタばっかりの士道龍聖と偶然出会って助ける流れ、最高でした。お互い名前も言わずに4日間一緒に過ごして、最後に指輪とか焼きそばとか、チグハグだけど心がこもった贈り物を交換するところ、すごく良かったです。士道が女装烏の前では下ネタを言わなかったって伏線、気になりますね…!読んでてほっこりしました。続きも楽しみにしてます!