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美味しい料理をお腹いっぱいに食べて、「ごちそうさまです」と、箸を置いた。
「この後は、どうしようか? もう一回お風呂に入って来るか?」
「そうですね」と、頷く。「お風呂に入って、少しでも体重絞りたいかも……。美味しくてつい食べすぎちゃいましたから」食べ終わると、途端にお腹周りが気になってきて、本気で食べたらなかったことにとか出来ないのかなと思った。
「気にしなくても、美味しそうに食べる君の顔は、とても魅力的だったがな」
「……恥ずかしいです。なんだかデリカシーもないみたいで。好きな人の前だと、もっと食欲とか抑えたりもしますよね? なのに私ってば、全然お箸が止まらなくて」
「いや」と、彼が首を横に振る。
「無理に食べるのを抑える女性よりも、本当に美味しそうに食べていた君の方が、ずっと魅力的だから」
彼の大きな手の平でぽんぽんと頭が叩かれて、「……ありがとうございます。嬉しくて」と、はにかんで呟いた。
「お風呂に入ったら、浴衣を着るんだろう? 楽しみにしているから」
彼から言われて、ここの旅館は着る浴衣を自分で選べるんだっけと思い出した。
浴衣……着るのは、ちょっと照れちゃいそうだけど、矢代チーフの浴衣姿も見られることを思うと、私も楽しみで頬が緩むようだった。