TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

あたし、如月 モモ。夜桜高校2年生の16歳、ずっと共学なのに彼氏いない暦も16年。

よくアニメとか漫画とかにいるような、学校1の王子様とか、夢のまた夢!

ここにはあたし好みのイケメンすらいない。

あたしは机に突っ伏して、数学の教科書とにらめっこする。


キーンコーンカーンコーン


やっと授業終わった…


「モモちゃんおつ〜」


あたしの机の周りに、クラスメイトが集まってきた。

ちなみにこの子は小条 アオ、小学校からの大親友!


「今日の数学マジむずくなかった?」

「わかる。これじゃ次のテスト赤点確定。萎える」

「それなすぎー。明日うちでテス勉やろ」

「テス勉ダルい…って、え!?アオん家!?行く行く、絶対行く!」

「ちょろw」


アオ神すぎ説。

あ、次で今日最後の授業だ。

しかも体育じゃん、ちょー楽しみ。

あたしはスポーツ女子って言われるくらい運動神経がよくて、リレーは男子も楽々抜いちゃう。

よく休日にマブダチと行くボルダリングも、トレーナーさんに驚かれるくらい早かった。

しかもなぜか、嗅覚と聴覚もいい。

日替わりパンは食堂と同じ階にいるだけで何パンかわかるし、クラスの外からでもクラスメイトのヒソヒソ声が聞こえる。

なんか、普通の人以上に身体能力が高い。

…って言ってないで着替えないと、やべー遅刻するッ!!!




パーン!


銃声で、リレーの棒を持ったクラスメイトたちが駆け出す。

早く走りたいなー。

まあでもあたしは大抵アンカーだから、みんなが走り終えるのを待つしかないんだけど。

そのまま何分か立った頃、あたしはゆっくりレーンに並んで、チームメイトを待った。

少しずつ、気配と足音が近づいてくる。


「あとは頼んだよモモちゃん!」


チームメイトの声が聞こえた。

あたしはすかさず返事をし、呼吸を整える。


「りょーかい!」


パシッ


練習していたバトンパスも見事に成功し、あたしはペースを崩さないまま直線をダッシュする。

カーブの内側で勢いをつけ、前を走っている男子たちを1人、2人と抜いていく。


「速っ!」

「やっぱうちのモモ最強ー!!」


チームメイトの声を背中に聞きながら、男子たちと距離を開けていく。

ゴールテープは、すぐそこだ。

あたしはそのまま加速し、再びまっすぐに戻ったレーンを駆け抜けた。

足が、ゴールの白い線を超える。


ふわっ


お腹に、テープが当たる感触があった。

慌てて勢いを緩める。


「1位、ピンクチーム!」


先生があたしたちのチームの名前を呼ぶ。


「いえーーい!」

「モモちゃんナイスー!」

「モモいなかったら4位ぐらいだったね!www」

「あたしそんなに重要!?www」


はしゃぎながら、チームメイトみんなで飛び上がった。

さらに、飛び上がったことで他の子よりジャンプも高いことに気づいてしまった。

なんとなくだけど、あたし人間じゃない気がしてる。

ま、そんなわけない。

だって、ここ現実だもんね。

スポーツの才能があるだけ。

みんなよりスポーツが上手なだけ。

うん、絶対そう。


「モモー!授業終わったし着替えて焼肉行くよ―!?」

「え!?焼肉!?」

「アオっちが奢るってー!」

「やったーーーーーー!」

「ちょっと待て、うちは奢らんよ!?」

「さぁ行くぞー!」


半ば強引に、制服のまま焼肉食べに行った。

結局アオの奢りじゃなくて割り勘になったけど。

リレーして汗もかいたし、早く帰ってシャワー浴びて寝よう。

うん、あたしはどっからどー見ても普通のちょいギャル高校生。

人間じゃないわけない。

さー、帰るか。


…あれ、じゃあなんであたしは嗅覚と聴覚が優れてんだ?

loading

この作品はいかがでしたか?

35

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚