kunひま初めてだね。
対戦よろしくお願いします。(?)
「これ、何?」
上司のkunさんが俺の前に突き出したのは俺の出した企画書。
俺の出した企画書には何も書かれておらず、白紙のまま。
kunさんは見るからに怒っていて、「またか。」と言いたげにこちらを見ている。
「いやいや、11日締・め・切・りってしっかり伝えたよね?」
「あとさらっと12日…今日。の朝に出してるよね?」
怒られるのはこれで何回目だろうか。
また「実は………母が、重い病気になってしまって…」という言い訳を考えてきた。
しかしkunさんには嘘だということがバレている。
ちょっと申し訳ない。でも…そんなに言わんくたっていいよね、
「………えー、はい。診断の結果、ひまじんさんはASDだと思われます。」
自分でも驚いた。お試しぐらいの気持ちで行ったのに、ASDの診断がくだされた。
自覚なんてなかったし、気にしたこともなかった。
しかもkunさんからは「お前、一回病院行ってみろ。俺が思うにADHD。」って言われたし、
もしかしたらADHDもあるかもしれない。
…考えるのは辞めよう、涙が溢れてきそうになる。
ああ、明日も仕事、また怒られるかな。
「お前っ………」
と言いかけたところでkunさんは溜息をついた。
俺はkunさんに入社してから迷惑ばかりかけている。
いつか、いつかkunさんに恩は返したいと思っているはずなのに、行動に移せない。
なんで、でもしょうがないやん、kunさんは俺の何がわかるんやろう。
やって、
「ゃって………っう”、」
「え、あ、は???」
涙が溢れてきた。kunさんの前でこんな姿見せるなんて最悪。
周りに他の人もいるのに。みんなこちらを白い目で見ている。今は、見ないでほしい。
「いやっ、もう、一旦泣きやめ…」
「後でちょっと話聞いてやるからっ………」
kunさんは「とりあえずこっち…こい。」と言って手招きをした。
他の人もいる状態よりかはいいか。
あーあ、ちゃんと強いところ見してkunさんのこと惹きたかったのにな…
「で、お前どうしたの、いつも泣かねぇのに」
「なんか悩んでんだろ、なんか俺に言ってみ」
俺は病院でおこったことを素直に話した。ちゃんと素直に話せていて俺はちょっと、嬉しい。
話し終えたあと、kunさんは「…なるほど。」と言って頷いてくれた。
kunさんにしてはちゃんと聞いていて、なにか決めたように口を開いた。
「やからもう、人から嫌われてるんやないかって…」
「ASDだったのねー…はいはい。」
「いやっ、まぁ俺もね、ADHDなんだよ。」
「気持ちがわかる人同士…頑張ろうって感じで、?」
こう正面から悩みを言われるとどう対応すればいいのか困っている感じのようだった。
でもなにか心から思っていないような対応に少しムカついた。
「でも、またお世辞ですよね…っ?」
「本当はkunさんも手間のかかる邪魔なやつって思ってるんちゃうんですか、」
涙声で、だけど少し怒ってて、情けない声。
本当に、kunさんはこれでも俺のことが嫌いになっていないんだろうか。
また、
「あー、もう面倒くさくなってきた、」
「あと俺会議あるから。もう終わり。んーまぁ頑張れよ。」
「ちょっ、kunさん…っ!答えまだ聞いてないです”ぅっ…」
また泣きそう。扉を開けようとしたkunさんはこちらを振り向くと
なぜか驚いたような顔をしている。
「…俺は好きだよ。」
「まぁでも友達としての好きではねぇけどなw」
「じゃあ”っ、”お世辞”ってことすか」
「………恋愛としての”好き”っていうことにしてろ。 」
そう吐き捨てるようにkunさんは言うとすぐに出ていった。
…恋愛としての、好き?
たしかにkunさんはそう言った。じゃあ、両思い、ってこと…?
じゃあ、俺の夢は、叶う…のか。
今見ている世界が夢じゃなければ、だけどな。
コメント
1件
めっちゃ最高すぎる…泣