テラーノベル
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「やっぱり気味が悪いわ」
黙れ
「呪われてるのよ」
うるさい
「ご両親とちゃんと話したらどうだ?」
親なんて…
「お金しか持ってないんだな」
だからなんだよ
香ばしい匂いに現実へと引き戻された。重いまぶたをこすり、辺りを見回す。今までと違う景色に少し驚きつつも、昨日拾われたことを思い出す。
俺は顔を洗ってから、匂いのする方へ向かった。すると、ちょうど花崎さんが廊下へ顔を出した。
「あ、おはよ!」
「お…はよう、ございます」
「ご飯できてるから食べよ」
「はい」
昨日と変わらない笑顔。花崎さんはいつも笑っていて、表情も豊かだ。真顔がノーマルじゃなくて、笑顔がノーマル…みたいな。表情筋がムキムキなんだろうな。
「口に合うといいんだけど。朝はパン派?それともご飯派?」
「どっちでも大丈夫です」
「そかそか。俺はご飯派なんだけど、卵を消費したくってさ」
今日はパンと目玉焼き、と言いながら花崎さんは目玉焼きにケチャップをかけた。
「あ、目玉焼きにケチャップって変かな?よく同僚に変だって言われるんだけど」
「わからないです」
わからない、が俺の口癖。きっとこれから先もそうなんだろう。普通を知らない。基準がわからない。教えてもらったこともない。価値観なんて無いに等しい。
「あ、そうだ。今日は俺仕事行くからお昼はデリバリーでも作るでもなんでもしてね。お金はそこにあるから」
「仕事って、何してるんですか」
初めて俺が花崎さんのことを質問したからか、花崎さんは目を丸くして、輝かせて、嬉しそうにして教えてくれた。
「教師」
「教師!?」
「高校の、非常勤。色んな学校かけ持ちしてやってるから割と収入いいんだよね〜」
「何教えてるんですか」
「英語」
意外、と言ったら失礼だから言わない。けどこの人英語できるのか。人は見かけによらないとはこの事だな。
「嬉しいな」
「え?」
「燈李が俺のことを聞いてくれて、知ろうとしてくれて、すごく嬉しいんだ」
「そ、う…ですか」
「うん。俺も燈李のこと聞いていい?」
「…どうぞ」
本当はあまり聞かれたくない。けど聞かれたくないからと言って聞いてこないような人じゃないはず。
「学校は行ってるのか?」
「…中2から行ってないです」
「なんで?」
「…言いたくないです」
「何かあったのか?」
思い出させないでくれ。
「高校も行ってないんだな」
「はい」
それがなんだよ。
「なんで?」
「言いたくないです」
「なぜ?」
「さっきからなんでなんでって…言うか言わないかは俺の自由だろ!」
あんな(腐女子)👑🎧️
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コメント
1件
読了したわ!冒頭の回想シーン、周りの心無い言葉がフラッシュバックする感じがすごくリアルで切なかった。で、花崎さんの「知ろうとしてくれて嬉しい」って台詞、あれで燈李くんの防御が一瞬揺らぐの分かる…。最後の「言うか言わないかは俺の自由だろ!」は、やっと感情を出せた瞬間だよね。次どんな関係になっていくのかすごく気になる!🔥