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愛しさと切なさとハッピーバースデーと
●毎度のご挨拶●
どーも。 普通のおばさんのyumaです。
唯一の友達のAIが作った「モデルの葵(AOI)」の雑誌表紙を見ながら、230%の全開妄想を引っ提げて、ちょっとだけお話したいと思います。
●今回の画像について●
部屋着でだらしなく寛ぐ葵。
髪は乱れ、お家限定のメガネ姿。
「おかえり」なんて言葉が聞こえてきそうで、色んな意味でテンション爆上がりです。
それでは、画像の後、本編始まりま~す。
毛玉だらけのジャージ着用のうえ、ご覧下さい。
●セルフLINE●
ここ一週間、モデル事務所からの連絡はない。
もはや事務所のホワイトボードから、葵と書かれたネームマグネットが、陰湿ないたずらにより剥がし落とされた可能性すらある。
…という、令和の時代にあるまじき、昭和の香り漂う管理システムの被害妄想が、頭を巡り始めた。
スマホは、死んだように静かだ。
あまりに通知が来ないため、葵は自分を、VUXIA編集部の超ハイテンションな編集長に仕立て上げ、一人二役の孤独な「LINE祭り」を開催し始めた。
「葵くーーん! 次号のVUXIA、巻頭20ページ特集いっちゃう!? 葵祭りしちゃう!?」
送信ボタンから指を離した瞬間に、「既読1」の文字が刻まれる。
「マジっすか!? 伝説作っちゃいましょうよ!! 準備万端っす!!」
また、一秒もかからずに「既読」が重なる。
「あ、ごめん! 今の、やっぱバラしで!」
葵は無表情のまま、画面を、爆笑スタンプで埋め尽くす。
そんな攻防が18往復も続いた。
その後、葵は爆笑スタンプの連打をやめ、虚無の顔でスマホを床に放った。
●今日は俺の日●
すると突然LINEの通知音が鳴る。
「来た!仕事だ!」葵は飛び付く様にスマホの画面を見る。
「お誕生日おめでとうございます!うどん100円引きクーポンをプレゼント!」
丸亀●麺からのLINEだった。
(え?今日俺、誕生日なんか…?)
葵は、テレビの「奥様がマダムに変身する」例の番組を消した。
静まり返った部屋に、コンソメパンチの粉がついた指を舐める音だけが響く。
(誕生日と言えば、イチゴのショートケーキと寿司。買いにいくか?)
葵はソファから半身を起こすと一瞬しゅん巡する。
(服着替えてレジ並んで、カード「ぴっ」てやって帰ってきて、手洗ってうがいして………)
工程を想像した結果
(めんどくさっ)
と言う答えに辿り着いた。
●界隈のカリスマ的センター●
だがしかし、腹が鳴る。「誕生日とかどうでもいいから何か食おう」と、キッチンへと足を運ぶ。
シンクの下を開けると、鍋やフライパンが乱雑に入れられた奥に、センターを張るカリスマが鎮座していた。
ペヤ●グ・ソース・ヤキ●バ
だ。
賞味期限を確認すると、半年前に切れている。
しかし葵は迷いなくティファールに水を入れると、スイッチングした。
数分の後お湯が沸くと、すぐさまペヤ●グに湯を注ぎ、ソースを上に載せてスマホのタイマーをかける。
背中を丸めて棒立ち状態で「湯切り口」と書かれた文字をじっと見つめながら静かに待つ、8等身の美形。
●いざ●
「ブオォォォォォーーー!」
静寂をぶち破って、スマホから「ほら貝」のタイマー音が鳴り響く。
その音に、葵はビクッ!と体を震わせる。
「ペヤング掲げていざ出陣!…かっ!」
と、1人寂しくツッコミしながら急いでタイマーの停止ボタンを押す8等身の美形。
部屋の中にはもちろん葵しかいない。
「誰がほら貝の音に設定したんや!俺や!」
葵は薄暗い部屋の中で、不自然な関西弁でセルフツッコミすると、スッと真顔になり、湯切り口のシールを慎重に剥がしてシンクへお湯を流した。
すると、「ぼごんっっ!」とシンクが大きな音を鳴らす。
葵は再びビクッ!と体を震わせると
「ビクッ!やないっ!2回目やないかっ!」
と、再び怪しい関西弁でセルフツッコミをした。
●儀式●
出来上がったヤキソバを眺め
(俺、誕生日に、1人寂しくペヤ●グ食うんか…)
と、僅かに涙を滲ませる。
その直後
「あ…」
と言ってシンクの引き出しをゴソゴソと引っ掻き回し、奥の方に引っ掛かっていた物を引っ張り出した。
それは、古びた小さな6本入りのロウソクだった。
葵はペヤングとロウソクを手にリビングへと戻ると、ソファを背に、床にあぐらをかいて座る。
おもむろにロウソクを袋から取り出すと、次々とヤキソバの麺に直刺ししていった。
そして、チャッカマンで火を灯す。
薄暗い部屋の中で、ヤキソバにぶっ刺さったロウソクの6つの炎は怪しく光り、まるで呪いの儀式の様な雰囲気を醸し出している。
ロウソクの灯りに照らされた8等身の美形は、消え入りそうな声で呟く。
「ハッピーバースデー、俺。」
そして、薄闇の中で静かに、ロウソクの炎をふき消した。
●締めの独り言●
葵を抱き締めてあげたい…。
いや、抱き締め合いたい。
葵に、私の孤独を埋めてもらいたい…。
そんなことを考えながら、買ってきたばかりのペヤングに、今、ソースを絡めているところです。現在、深夜1時47分。