その巻が完成した場合は、題名の横に「改」をつけます。
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俺、リードはなんとか日没までにセグラル自然渓谷村に着いた。
今日は宿ではなく新発売された魔導具〈携帯らくらく折りたたみ式テント〉というものを持ってきた。
この魔導具は便利なことに、魔力を微量込めるだけでテントを一瞬で建てたりしまったりできる。
というわけで今日は野宿だ。
といってもある程度〈冥界の柱〉に近づいて明日の作業を楽に終わらすために、眠気が来るまでは冥界の柱が山頂にある山を登るが。
山を登り始めると、早速岩場が見え始めた。足場が悪いなぁ。足滑らせたら真っ逆さまに崖の下に。
一応持ってきていたロープを手頃な木の枝に結びつけ、その枝を回しながら前方へ〈投擲〉。
ものすごいスピードで投げられた木の枝はそのまま回転しながら突き進み、岩場の上にある巨木に絡みついた。
そして俺は安全にロープを掴みながら岩場を攻略していった。
登り続けること一時間…。
寝ることなく結局山頂まで来てしまった俺は、冥界の柱の傍で寝ることにした。
次の日…
朝起きると、早速俺は準備に取り掛かった。
まず、周りにある邪魔な石、岩、木などは〈光の矢〉で粉々にしていき、必要でないものは全て仕舞った。
よし、準備完了。
そうしたら4日かけて製造した〈浄化棒〉を右手に持ち、ローマ神殿の柱のような形状の、真っ白な冥界の柱へ〈浄化棒〉を投げつけた。
浄化棒が冥界の柱に当たった瞬間、冥界の柱の前に光り輝く魔法陣が出現した。
そしてその魔法陣が強く発光し、俺が一瞬目を閉じると…。その一瞬の間に、俺の目の前には巨大な、赤色の飛龍が出現していた。
その飛龍は俺を見据えた瞬間、その口を開いた。
ブレスを吐いてくるのか、と首をすくめた俺の予想に反し、飛龍は流暢な口調で俺の理解できる言語で話しかけてきた。
「お前が、我の封印を解いてくれたのか。」
うわぁ、意外に渋いかっこいい声!
「はい、そうです。」
「そうか、感謝する。これで、また再びこの天空を飛び回れる。あと、お前、御礼の品は欲しいか?」
これはもらうしか選択肢ないでしょ。
ものすごい勢いで俺が縦に首をふるのをみると、飛龍は突然自らの右腕を引きちぎった。
俺があんぐりと口を開けてみていると、その飛龍は残った左腕を自らの左胸に突っ込み、心臓を取り出した。
流石に俺もそんなグロい状況に目をそらしたくなったが、ここで目をそらしたら駄目な気がした。
痛みを堪えるような顔をしながら飛龍は引きちぎった右腕と心臓を天空に放り投げた。
するとその右腕と心臓が突然紅煉の炎に包まれた。
そしてその炎が収まると、そこには丸い、光り輝く球があった。
「これは、〈光聖浄球〉というものだ。これを取り込むと聖属性が手に入る。ついでに取り込むと炎属性も手に入る用にしといたぞ。こういう神聖アイテムを取り込んで属性を手に入れる方法を使えばいくらでも属性を覚えられるから、覚えといたほうが得だぞ。あと、取り込んだら我といつでも連絡を取り合えるようになる。ピンチになったら呼ぶがいい。そろそろ我は行くぞ。早く天空を飛び回りたい。右腕と心臓は気にするな。右腕は時間が経ったら生える。心臓は飛龍には4個存在するから大丈夫だ。」
そう言い残すと赤い飛龍は巨大な翼を広げ、空へと飛んでいった。
行っちゃった…。
※ピコーン※※孵化保進※スキル獲得※
あれ、どうして急にスキル獲得?〈光聖浄球〉を手に入れたからかな?
でも、目的のものは手に入れられた。これで、聖属性を覚えられる。あと、ついでに炎属性も。
飛龍が気が利く飛龍で良かった、と思いながら俺は意気揚々とリトル・ヘブンへと帰る用意をし始めた。
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