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京「…意識が戻ったら奇跡だと思ってね」
京夜にそう言われた。戻らなくてもいい。鳴海が息をして、存在してくれるだけでも良いからと願った。
無「眠り姫って本当にキスで起きるのか?」
京「何?確かめたいのー?席外そっか?」
無「意識不明の怪我人相手にどんな熱烈なキスかますと思ってんだ。」
鳴海の笑った声も少し朧気になってきそうな今日この頃。人は、声から忘れていくと聞く。
寝言でも言わないか。
昔から聞いてきた声なのに記録が1つも残ってないせいで、記憶に残った声が正しいかも分からない。
あっという間に季節は1周巡った
そんな曖昧な輪郭を辿る様な恋をする中である日、京夜(たまたま来てた)と後輩2人がテーブルを囲んでいた。
無「何してるんだ」
猫「先輩の恋バナです。」
無「お前、恋バナ出来たんだな」
京「酷くねっ!?」
呆れていると京夜がニヤリと笑った。
京「ダノッチだってすげぇ恋してきたじゃん。話してあげたら?あんなにいい子早々お目にかかれないし取られちゃうかもよ〜?」
幽「え、無陀野先輩って既婚者なんですか?」
京「頭の中では結婚してるね。」
猫「情報が渋滞してる」
無「鳴海の事だからな。話してやってもいい」
空いてる席に腰を下ろし話し始める
無「陰気のようで軽快、人懐っこいようで破壊的、気まぐれのようでどこまでも見通す知性を持つなど不可解な精神性を持ち合わせた戦闘部隊のエースが鳴海だな」
猫「改めて聞くとあの人本当に人間ですか?」
京「一応人ではあるけど…」
そこに通りかかったのは真澄と馨。談話室のクッキーをつまむ様子を見て口を出す。
真「…どういう経緯の集まりだ?」
猫「先輩たちの恋バナです」
真「お前恋バナとか出来たんだな。」
猫「先輩は鳴海先輩のどこが好きなんです?」
京「それ聞いちゃうんだー。」
どこだろうか。もう全部、細胞1つも逃がしたくないくらい全部が好きだ。でもそれは自分の心の中に留めておく
無「強いて言うなら、俺の事を好きな所だな」
猫「イケメンにしか許されない答えですね」
そんな話をしていた時、ふと会いたくなった。
その足で鳴海の元を訪れると今日も今日とてよく眠っていた。
無「都合よく起きてくれないか、なんてな」
京夜と深い口付けをするならって話をしていたな、なんて思い出して、ふとキスをした
無「好きだよ。大好きだ。この世で1番な」