テラーノベル
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「いやーーありがとう萩原」
5限目が終わるとすぐに萩原の椅子に手を伸ばしお礼を言った。
「萩原しばらく来てなかったけどどうしたの」
「だるかった」
「なんだよそれだけかよ、毎授業当てられて大変だったのに」
「自分で考えろよ」
「いやー数学は萩原いないときつい、から学校来てくれないと」
「うん」
「え、来てくれんの」
「単位やべえから」
学年1位のセリフじゃなさすぎて笑ってしまった。
「萩原ってさ、学校来ないとき家で勉強してんの?」
さすがに自分で勉強してなかったらあんな成績とれないよな。
「図書館で」
「え図書館行ってんの?じゃあ昨日まで毎日図書館行ってたの」
「うん」
「へえー、、私も図書館行こっかな」
もうテストまで2週間しかないし、図書館で本気で勉強するのもありだ。
「あ、萩原勉強教えてよ」
「教えただろ」
「いやそうじゃなくてさ、テスト勉強よ、テスト」
「、、自分でやれよ」
「お願いっ、次のテストこそはいい結果出さないとやばいんだって」
萩原はずっと自分の席の方を向いたままだった。
「お願いします学年1位」
萩原の椅子に両手をかけて頭を下げていると、萩原は少しこっちを振り向いた。
「時間があればな」
「まじ!?ありがてえーーー」
これで成績アップ間違いなしだろう。
「凌帰ろー」
「あ、ちょっと待って。萩原」
名前を呼ぶと後ろをこっちを振り向いた。
「今日から教えてもらう、、のは?」
「無理」
あまりにも冷たい声だったので、えっ、と声が出てしまった。
「時間があればっつったろ」
そう言って帰って行った。
「なんだよ、そんなきつく言わなくてもいいだろ」
「なにどういうこと」
「萩原に勉強教えてもらえることになってさ」
「え、やったじゃん、これでいけるよ凌」
さっきはいけると思ったが、幸先不安な気がして苦笑いしてしまった。