テラーノベル
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アラスターside
〇〇「・・・うん。もう、なくさないよ」
小さく呟いた〇〇が、顔を上げる。
〇〇「ありがとう。アラスター」
泣き出してしまいそうな所作とは裏腹に、顔を上げた彼女の顔には晴れた笑顔が咲いていた。
―――嗚呼、綺麗だ。
アラスター「・・・よろしい。その笑顔と素直な返事は、やはり貴女の好ましい部分です」
・・・やっと、やっとだ。
やっと帰ってきたのだ。
この笑顔を見てようやく、その実感が湧いてきたような気がした。
アラスター(本来こういうときは・・・”お帰りなさい”と、そう声を掛けてやるものなのでしょうか)
そんな言葉などいくらでも吐けるはずなのに
どうしてかこの口は何かを躊躇うように重たかった。
アラスター「さ、しっかり顔を見せておやりなさい」
アラスター「・・・皆、貴女のために此処へ来たのですから」
彼女の肩に両手を添え、くるりと身体を皆の方へ向けてやる。
その小さな背中を軽く押し出してやれば、彼女の足は軽やかに駆け出して。
〇〇「・・・・・・うん!」
嬉しそうな声と笑顔を零して、今度こそ〇〇は走り出した。
少しずつ遠ざかる背中を見送りながら、人知れず小さく息を吐く。
・・・ホテルに帰ったら、あの飲み慣れたコーヒーを淹れましょう。
それをゆっくり飲みながら、じっくりとあの曲を聴かせて頂きましょうか。
すっかり見慣れたホテルのあの部屋で。
私の心をどこまでも掻き乱す、まるで悪魔のような貴女の隣で。――――
【その感情を、愛と呼ぶなら――】 Fin.
コメント
3件
うわあああ、第118話めっちゃ良かった…!!😭💕 アラスター視点で彼女の笑顔を「綺麗だ」って思うところ、もう完全に心持ってかれた…。「お帰りなさい」って言いたくて言えない感じ、アラスターの不器用な優しさが滲み出ててエモすぎるよ…!!「悪魔のような貴女の隣で」がもうね、愛の形が静かに炸裂してる…✨ やっと帰ってきた実感、っていう一文が全てを物語ってて、二人の関係の深さを感じた。素敵なエピソードありがとうございます!!🌸
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