北斗side
俺は病室を飛び出した後、慎太郎とこーちに捕まった。
こち「なんで逃げんだよ!!」
慎「急に逃げたらきょももびっくりするよ?」
北「わかってるよ、わかってるけど、」
熱い水が俺の目から沢山出てきた。
それをみて、こーちは言った。
こち「辛いのもわかる。混乱するよね。でもさ、大我はもっと混乱すると思うよ。急に北斗が飛び出して。俺なんかしたかなってさ。だから、一旦戻ろ?」
慎「そうだよ。後さ、あの怪我は北斗のせいじゃない。大丈夫だよ。」
そんなことわかってる。
でも、見てられないんだ。あんな痛々しい京本を。怪我の説明をされて、絶望する京本を。
顔をしかめているのがバレたのか、こーちは俺の頭を撫でてニコッとした。
こち「一旦、水飲むか。」
慎「そうだな!喉乾いた。」
こち「そう言うことじゃねえよww」
こーちは凄いなぁ。こんな時でも、気持ちを明るくさせてくれて。真のアイドルとはこの人のことを指すんだろうな、。
こーちは俺と慎太郎の分の水を持ってきてくれた。
慎「ありがとー!」
北「ありがと」
この時、俺は少し冷静になれて涙も止まった。
大人しく水を飲む俺をみてこーちは言った。
こち「多分、今頃怪我の説明をされていると思う。だから、行かない?」
北「え、」
こち「少なくとも、俺らは大我を支えなきゃいけなくなる。いずれ、向き合わなきゃいけないんだ。まだ向き合えなくていい。でも、向き合う準備は始めない?」
俺は黙ってしまった。怖い、京本に会うのが。どんな罵倒をされるのか、京本に嫌われないか、京本の反応を見るのが怖い…
慎「北斗。行こう。行かなきゃもっと行けなくなるよ。」
慎太郎は強い眼差しで俺を見てきた。
その目力に負けて俺は京本の病室に行くことにした。
ドアノブを手にかけて。
早くなる鼓動。
緊張して汗が出てくる。
ネガティブな気持ちを押し殺して、少し、ドアを開けてみた。
目に入った光景は、想像通りだった。
泣いている京本。
京本を抱きしめている二人。
俺に気づいたのは、ジェシーだった。
ジェ「北斗。おかえり。」
ジェシーの声を聞いて、樹と京本が顔を上げる。そしたら、樹が真っ先に俺のところにきた。
次の瞬間、頬に痛みが走った。
樹「お前馬鹿なの⁉︎なに逃げてんだよ!」
樹は泣きながら俺に訴えた。
北「ごめん、気持ちの整理がつかなくて…」
樹「心配してたんだからな、」
樹は俺を抱きしめた。
抱きしめられて俺は、また感情が高ぶってきてしまった。でも、もう逃げてはならない。
俺は京本に近寄った。
京本は嗚咽をあげて泣いており、俺の心も苦しくなった。
北「京本…」
大「北斗、俺、俺どうすればいいの…?脊髄損傷してもう踊れないなんて、どうすればいいの、?」
京本は感情に任せて話していた。
混乱している。
俺は考えもせずに抱きしめた。
北「ごめん、ごめん!勝手に逃げたりして。 俺らが、京本を支えるから。もう、逃げたりしない。」
京本はその言葉を聞いて、さらに涙を浮かべた。
こーちと慎太郎も、京本を抱きしめて言った。
こち「大我、今はゆっくり休もう?大丈夫。」
慎「こーちの言う通りだよ。」
京本は泣きながら頷いた。
もう、逃げない。
俺は京本と向き合うんだ。
_続く
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