「葛城陸に未練がないなら話してください」
「あんなセックスがうまいだけの鬼畜に未練なんてない! 分かった。正直に話せばあいつに未練がないことの証明になるなら話すよ。私の小説を一行も読んでなかったと打ち明けられても、それどころかいろんな女と浮気されまくっても、私は別れたいとは口にできなかった。その頃はもうあいつのセックスの虜にされてたからね。あいつもそれが分かっていたから、私にそれを打ち明けたんだと思う。あいつは女の私より女の体を知り尽くしてて、前戯だけで何度もイカされた。そしてさんざん焦らして、いつも私の方からおねだりするまで挿入はお預け。ペニスもめちゃくちゃ大きかった。あいつのしか見たことないけど比較するまでもなかったよ。大きすぎて私の口ではフェラチオできないくらいだったからね。そんな大きなものが体に入ってるのに、時間をかけて前戯されたときはセックスで痛みを感じたことはなかった。今ではほかの誰よりも思い出したくないやつだけど、セックスだけは本当に上手だった。あいつは天性の女ったらしなんだと思う」
彩寧さんの話に嘘はなさそうだ。陸の勃起してないときと僕の勃起したときのサイズが同じだと確か彼女も言っていた。
それにしても、彼女ならちんちんとかおしゃぶりとか言っていたものを、彩寧さんはペニスとかフェラチオとか英語で表現する。小説を書く人らしく俗っぽい表現を嫌うのだろう。でも、かえって卑わいに聞こえるのは僕が童貞だからだろうか?
そういう話を平気でしてくる映山紅さんにはデリカシーが少し足りないのではないかと今まで思っていたけど、彩寧さんもそうだということは僕が神経質すぎるだけなのかもしれない。
「僕のは全然大きくないし、そんなふうに女の人を満足させる自信もないです」
「陸を褒めたつもりはない。そもそもセックスがうまいだけの男はもうこりごり。だから今度つきあう人は、絶対にセックス以外の魅力を持った男の人にするって決めてたんだ」
セックスが目的ではない、本当の愛を私に教えてくれ! そういえば彼女も僕にそう訴えていた。
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