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あの肉を食べてから体がおかしいんだ
金がなくてコンビニバイトでもすぐクビになるわ電気とガスは止めらるわで生活がギリギリの私に遂に救いが来たと思ったのにさ。
冷蔵庫に買った覚えのない肉がパックされて入っていたんだよ。パックには生産地も肉の種類も何も書いてなくてな、普通のやつが見れば怪しくて捨てるんだろうけど その時はほぼ3日水で腹をごまかしていたから何も思わず食べることだけを考えていたよ。
近くの河川敷で火をたいているホームレスたちがいたから火を貸してもらって焼いたんだ。その時しっかり全面焼いたんだ!だから感染はしていないと思う。
それを食べたらすごく元気が出てきて深夜に久しぶりの散歩をしたんだ。すべてが嫌になって引きこもってばかりだったから運動の楽しさを5年越しに思い出したね。
それで公園の水を飲んで寝たんだ。
それで起きたら足に覚えのない痣があって。酒は金がギリギリになった時から節約のためにやめた。だから酔ったわけがないんだよな…
もしかして病気か…?まあこの際死んでも何も残ってないし困ることもないからな?ただ人様の迷惑になって死んでも白い目で見られたくないだけでさ、別に死のうと思えば死ねんだよな。
もう特に取り柄もなくなったから社会貢献にもなれないし
それで痣の話に戻るんだが、その時はあんまり気にしてなかった。
でも5日くらい経った時に突然吐き気に襲われて吐いちまった。
もちろんトイレでな?
びっくりしたよ。突然のことだから。
それから寝るまで吐き気は収まらなくて大変だったよ。
んでその明後日くらいかな、また例の肉と同じようなやつが冷蔵庫に現れたんだ。前は腹が減って仕方がなかったから観察する暇なんてなかった。今回は吐き気と痣の原因を暴くために肉を観察してみることにした。
見た感じは肉ピンク色の膜…?に包まれた肉だな。特に異変はな……ん?
チョット待て、動いたよな?今痙攣みたいに動いたぞ!しかもよくよく見ると黒い毛が生えてやがる!気持ち悪っ!まさか生きて…
ーその時肉が激しく暴れ始めた
うわぁぁぁぁあぁぁあ?!?!??!?!?!?!?!
俺これを食べたってのか?!
気味が悪い!今すぐ捨てないと…!
ぁあクソ!燃えるゴミは明後日じゃないか!それまでこのクソみたいな生肉をゴミ箱に住まわせないといけないのか?
嫌だ…!こんなの持ってられるか!川に捨ててやる…!
窓から肉を投げ捨てようとした途端に、後ろから声がした。
「うチのコ、ソ育ててくれま酢ヨね?」
私は肉を投げようとした体勢から動けずにいた。今、自分の後ろにいるモノは何だ…?鍵は閉めた筈だ。人間じゃない…!じゃあこいつはなんだってんだ?!
冷や汗をダラダラと流しながら後ろを振り向く。
そこにはとても許容しがたい生物が立っていた。恐怖で叫べない。まるで声帯が切り取られたように何もいえない。
ただ間抜けな喉笛を鳴らしながらソレを見つめるしかない。
「ウちの仔、育テてくれるんですッか?」
低いような高いような声で私に問う。
私はハッとした。こんなものを押し付け
られたら溜まったものじゃない!
「お前の仔か!お前の仔ならお前が育てろ!親なら!さあどっかへ行ってくれ!二度とここに来るな!」
私は裏返る声で叫ぶ。見るだけでも吐きそうなこの奇妙な生物を、一刻も早く自室から追い出したかった。
私はソレが「仔」と呼ぶ肉をソレに投げつけた。
ビチャ、という音を立ててソレに張り付き、次第に引きずり落ちていく。
ソレは目?を見開いて
「あ!落トした!オとした!おとシたよね?!」
とまくし立てる。もうやめてくれ。
夢に出てきちまう…安眠したいんだ!
「もうやめてくれよ!出ていけ!」
「ァァァァァァァァッ!!!!!!ア”ア”ア”ア”アアァァァァァァァ!!!!!! 」
「な”ん”て”か”わ”い”か”っ”て”く”れ”な”い”の”お”お”お”お”あ”お”お”お”!!!!!!!!」
「うわぁぁぁぁぁッ!!!! 」
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ここで私のの記憶は途絶えた。
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えー、次のニュースです。
丘口県 東京市在住の蒲白 哲《かばしろ まさる》さんが
変死体で発見されました。
哲さんはアパートの自室で体内に大量の肉を詰め込まれた状態で見つかりました。警察は殺人事件として見ており、現在捜査中だそうです。
知人のOさんは哲さんと高校時代の部活仲間だったそうです。
Oさん:彼とはよく授業をサボりましたね。いい思い出です。そんな彼が…
人柄は明るくて恨みなんか買う人では無かったんですよ…なのに…なんで彼が…
しかもあんな死に方だなんて…あまりにも… 早く犯人を捕まえてくださいっ…お願いします…
えー…次のニュースは…ー