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「ねぇ〇〇ちゃん」
『なにっ！？』
「君にメールを送ってくるもう1人の人物には、どんなあだ名をつけたんだい？」
『〝ヤバ男〟』
「ﾌﾞｯ…ふふっ」
「………」
私の返答を聞いて治くんは笑い、反対にフョードルさんは無表情になった。
＿え、怖っ！
「心外です。何処に問題があったのでしょうか」
『(心外…？)何処に問題って…、もう家に戻って来れないとか気になる人が居るなら消すとか、かなり物騒な内容だから。そんな人ヤバいじゃん？だから〝ヤバ男〟』
「其れは物騒だねぇ。さぞかし怖かったでしょ」
『うん怖い。今のフョードルさんの顔も怖い。』
「………」
さっきからあなた達、目のハイライトが消えたり戻ったりを繰り返してるけどなんで？
治くんはさっきハイライト消えてたけど今は清々しい程に笑ってるし、、。
「やはり直ぐにでも監禁するべきでした、此処を出たら直ぐにそうします。」
『ねぇ待って怖いんですけどこの人！よく判らないけど監禁は駄目でしょ！其れは犯罪！』
「全くだよ、其れをするのは君ではなく私さ」
『は？』
「彼女は貴方のモノにはなりませんよ」
「必ず私が堕とすさ────君には渡さない」
『ねぇお願いだから説明して？何なの？どういう事！？流石に2人同時にハイライト失くなるのは勘弁して！！もうやだ誰か助けてよぉ！』
ハイライトない者同士で見つめ合って楽しいの？
私だけ仲間外れにしないで！ちゃんと判るように説明してよ！
＿＿＿否、やっぱりいいや。何か怖いし説明はしなくていい。
しなくていいから物騒な言葉を云わないで！話さないで！
「そうだ、〇〇ちゃんはメールの送り主2人、どっちが好み？」
『どっちも好みな訳ねぇだろうがぶん殴るぞ』
「そりゃあ勿論前者の方だよねぇ～！」
「心中する事しか頭にない人など論外でしょう、後者以外有り得ません」
『まず私の話をちゃんと理解する処から始めろ、イケメンだからって好き放題云って許されると思うなよ』
────睨み合う2人。
そんな2人を気まずく見守る私─── 。
此処で余計な事を口走ってはいけない気がして黙ってはいるものの、謎に緊迫したこの状況をどうにかしなければと何か案がないか考える。
そもそもどうしてこんな状況になってしまったのか…
私の自己紹介をしていて男性の好みの話しになり、迷惑メールの話しになり…＿＿
─あれ、もしかして私のせい？
もし私がこの状況を作り出してしまった原因ならば、私がどうにかしないと駄目なのでは……？
……んー、、。
とりあえず違う話しを切り出してみるか
『ねぇ其れよりさぁ、私たちを誘拐して此処に閉じ込めた犯人って誰なんだろうね！？』
「「さぁ？誰 でしょうね/だろうねぇ」」
『否そこで意気合うんかいッ！！』
私の問いに対し、2人は同時に私へと視線を向けて同時に云い放った。
そこだけ仲良しなの何で？
『あなた達、啀いがみ合うのはやめなよ！喧嘩は善くない！』
すると2人はお互いを見合わせて口を開いた。
「私達喧嘩なんてしてないよ？仲良しさ！ね？」
「ええ、楽しくお話しをしていただけですよ」
『否何処がだよ！今も若干(目が)笑ってないでしょうが！』
明らかに誤魔化そうとしているが誤魔化せていない。
私はあなた達がこっっっわい笑顔で見つめ合って言い合いしていたのを見てたからな？誤魔化せると思うなよ
「えぇ～信じてくれないのかい？」
『信じられる要素が1つもない』
「じゃあどうすれば信じて呉れるのかな？」
『お互い抱き締め合って手でも繋いだなら信じてもいいよ』
「「絶対に嫌 だよ/です」」
『だから意気が合う場面間違ってるんだってば！』
拒絶する事に意気投合しないで。
別に仲良くしろとは云わないから、せめて言い合いとか喧嘩はしないで！
「＿＿じゃあ続きだけど、私〇〇ちゃんの好みにかなり近いと思うんだよね。と云うか私しかいないと思うのだけど」
───こいつ正気か…？
「貴方の中身と〇〇さんの好みは全く一致していません。故に太宰くんではなく、ぼくが一番貴女に相応しいです｣
───こいつも正気か…？
─自分の方が相応しい。
そう言い張る2人だが、そもそも私達初対面だよね？
治くんもフョードルさんもお互い初対面でしょ？
もしかして知り合いなのか…
そう思える程に、少なからず違和感を感じた。
『ねぇ2人は知り合いなの？』
「…何故そう思うのです？」
何故、と云われても明確な答えはない。
後質問を質問で返さないで欲しい。
『なんとなくだよ、明確な答えはないけどちょっと違和感を感じたから』
「…そうですか」
「まぁ何処かで会った事があるかもしれないし、ないかもしれないね！」
『否どっちだよ』
今絶対誤魔化したよね？
んー……、もういいや。考えるの面倒くさくなってきた。
誘拐されて目が覚めたらイケメン2人がいて、抱きついてくるし言い合いやら喧嘩やら何かもう疲れた…
だからそう云う時は＿＿＿＿＿
『ちょっと寝るわ』
「え……」
「…………」
『じゃあおやすみ』
私は其のまま寝転んで寝る体勢に入ろうとした。が＿＿
「ちょっと待ち給え！」
『何？』
「え、嘘でしょ？この状況で寝る気かい！？」
『知らん。私はもう疲れた。こういう時は寝るのが一番良いんだよ』
「もう少し危機感持とうよ、君誘拐されてるんだよ？」
『じゃあ1時間だけ！』
「時間の問題じゃないよ」
五月蝿いなぁ…、疲れたんだしちょっと寝るぐらい良いじゃんか！
誘拐犯だって来ないし！
『あ、誘拐犯来たら起こしてね』
「……判りました。〇〇さん、おやすみなさい」
『フョードルさんは話が解る人だね～、そういう人好き』
「ﾌﾌ､有り難う御座います」
やっぱり治くんよりフョードルさんの方が好感度上だなぁ。
そして其のまま目を閉じた私は眠りについた＿
コメント
7件
もう好きです
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