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夏の日差しみたいに眩しくて、でも心の中にはいつも積乱雲。その比喩がずっと刺さってた。「孤独だったら来いよ」に救われた美琴が、最後は三人で笑顔のまま首を吊ってしまうのが本当に切なくて。忘れたくない記憶ごと、あの日の秘密基地に還ろうとしたのかな。「また何処かで思い出して出逢えるかな」の言葉がぐるぐるします。息ができないほど綺麗で苦しい話でした。
じん様 サマータイムレコード
(菖、朱里、美琴)
菖「昨日も今日も晴天じゃん、綺麗だね。悪くないよ、この空も」
朱里「お前らと見てるからだよ。空が綺麗に写ってるのは」
美琴「いいこと言うねー。確かに、こういうのも悪くないよ」
けれど、私たちの心の中にはいつでも入道雲がいた。入道雲の正式名称は積乱雲らしい。積もって乱れていく心の蟠(わだかま)り。それでも、この三人でいる時は忘れられた。
菖「流石にこんなに晴れてると眩しいねー。」
三人は笑いながら暑さに怠そうに徐に目を閉じた。
朱里「私達の目標ってなんだっけ?ってか、私達は何のために生まれて来たんだろうね」
「それ」はどうも簡単に思い出せやしない様で。
美琴「もう中学三年生かぁ、早いねぇ」
年を取った現状に、三人で浸っていたんだ。
朱里「じゃあ、今回はこうやって…そう!そうすればもっと世界は良くなるよ!」
大人ぶった作戦を立てて、不思議な合図を立ててみた。簡単な、その場ですぐにできるようなものだったけれど、私達にはとても良いものに感じた。
菖「さぁ、行こうか。今日も戦争だ!」
みんなで、立ち上がって。醜い世界と汚い大人に立ち向かって手を取った。三人ならば大丈夫。
美琴「私じゃないのに…私何もしてないのにな…また独りぼっちになっちゃうんだろうな」
理不尽なんて当然で、独りぼっち強いられて。
美琴「どうしよう、どうしよう。」
迷った僕は憂鬱になりそうになってさ。膝を抱えて蹲っていたんだ。
背高草を分けて滲む太陽睨んで、また一人かなんて呟こうとした時、君はこう言ったんだ。
菖、朱里「「孤独だったら来いよ」」
菖「何してんの?うずうずして馬鹿みたいじゃん」
朱里「ほら、立てよ。変えるんでしょ?世界!」
美琴「……!うん!」
二人はうるさいくらいに賑やかで、笑顔が絶えなくて。私の心のドアを騒がしさがノックした。生まれた感情さえも、頭に浮かんでは消えた。
美琴「幻なのかな?」
秘密基地に集まって「楽しいね」って単純な、あの頃を思い出して話をしよう。
菖「あ、飛行機雲だ」
美琴「眩しいね」
朱里「何!?泣くなよ、びっくりした!?」
#ドラマ
鮎
54
#女の子
𝕟 𝕥 𝕠 .
646
66
飛行機雲飛んで行って、「眩しいね」って泣いていた。
菖、朱音「あれ、あの時の美琴の笑顔ってどんな顔だったっけ」
なぜだろう、思い出せないな。
「スマホとタブレット没収、後外出禁止!」
朱里「……え?」
痛いくらいに現実は足早に駆け抜けた。
朱里「今日も家で勉強かぁ、連絡できたらいいのに。もう消えたいな。」
選んだ今日は平凡で、崩れそうになる日々さ。
「あんた、勉強は?ちゃんとしなさいよ、もしかしたら受験落ちるかもしれないんだからね?一応塾でも行っておく?」
昨日の今日も延長戦。
朱里「大人だって、臆病だ。」
今になってなんとなく気付けたみたいだよ。
廻るセカイのイデア。枯れる太陽炎天下、陽炎が揺らいだ。
菖、美琴「私達を忘れんな、さぁ、進もう?」
もどかしさに何度でも明日を夢に見ていた。
朱里「こんなくだらない世界、私達で変えよう?」
戻らない先のある世界へ、「僕たちで変えよう」
「思い出して終わったって、秘密基地も冒険も、あの日に迷い込んだ話のことも」
独りぼっちな私達三人が集まった、子どもたちの作戦がまた今日も廻り出した。
朱里「今日はこうしよう!」
美琴「こう?」
菖「あーね?あり!」
「また何処かで」
朱里、美琴、菖「「「涼しくね?株さんなし」」」
「涼しいね」って言い合って笑った。夏空は透明だ。泣かないように吸い込んで
「「「さよならしよう」」」
秘密基地に集まって笑い合った夏の日に
「「「また何処かで思い出して出逢えるかな」」」
って何度でも、描こう?そう言って、私達三人は笑顔で首を吊った。あの三人の秘密基地で、笑い合った場所で。