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「さて、そろそろ始めようかな」
そう呟くのは、博麗神社に住む博麗霊夢である。彼女は、幻想郷を守る巫女であり、この神社の神主でもある。彼女は、結界に綻びがあるのを見つけたので、修復を試みていた。
「よし!これで元通りね!」
そう言うと彼女は、まるで全ての仕事を成したあとかのような表情で神社に入ろうとする。
まだ仕事なんて、あげればキリがないほどある。
「境内の掃除終わったよ。巫女ちゃん」
この子は哀音。
かつて幻想郷中を巻き込むほどの大規模な異変を起こした首謀者だ。
現在は罪を償うという形で、博麗神社で霊夢にこきつかわr……共に時をすごしている。
「お疲れ様。休んでていいわよ」
「分かったー」
「……」
「アンタ、いつまでそこにいるわけ?」
「ふふ、見つかっちゃった?流石博麗の巫女と言ったところかしら。」
「勝手に上がり込んで監視しないでくれる?」
「あら、それは心外ね。見守ってるだけよ。」
八雲紫。幻想郷で数少ない賢者の一人で、誰よりも幻想郷を愛している、スキマバb…お姉さんである。
「はいはいそうですか。」
さも煩わしそうな口調で霊夢は言う。
「あの子も随分ここに慣れたみたいね。」
「…えぇ。で、何しに来たのよ。勝手に他人の家の神社に上がり込んで盗み見して。くだらないことだったら許さないわよ。」
「もちろん。…霊夢、結界の綻びを直していたわよね。…何か、違和感を覚えたでしょ」
「……えぇ。」
(確かに私は、今まで何回も結界を修復してきた。綻びができるのはよくある話だ。けれどあれは…)
「普通は、綻びができても、博麗大結界は自然に修復する力をもつわ。たとえなにかの原因でその力が弱まっていたとしても…」
「外部からの修復には支障を得ない。」
紫が霊夢の代わりに続ける。
「ちょっと最後まで言わせなさいよ」
「ツンケンしないの。これだから参拝客も…」
「夢想封印のお見舞いまで3.2.いt…」
「はいはい、それはまた今度ね〜。今やったら神社が飛ぶわよ。」
突っつく様子で紫は言う。
「それで、霊夢は何を感じたの?」
「……少しいつもより修復に時間がかかった気がして…それに、何だか、霊力が、跳ね返されている感覚がしたのよ。」
「霊力が…跳ね返される……」
想像がつかない、という表情で紫は、霊夢の言葉を繰り返した。
「大丈夫よ。そんなに心配しなくても。この博麗大結界は、ちょっとやそっとじゃ壊れないんだから。」
「ふふっ、それなら安心ね…でも油断は禁物よ?いつ何が起こるかわからないんだから……」
「…分かってるわよ。」
ふと紫は、何か思い付いたような顔をして言った。
「……そうだ!霊夢、ちょっとお願いがあるんだけどいいかしら?」
「……いいけど何?面倒事ならお断りよ?」
紫が霊夢にお願い事?いったいなんだろうか? 霊夢は怪訝な表情を浮かべた。
「結界を、張っていて欲しいの」
「はぁ?」
「この博麗神社全体に。結界を張るのよ。」
「何のためにそんなこと………分かったわ。」
「どうやら伝わったみたいね。こちらの方でも調べてみる。霊夢も、引き続き頼んだわ。」
「分かってるわよ。」
「それと…感謝しときなさいよ、あの子、いつも仕事してくれてるでしょ?」
そう言葉を残して、紫はスキマに戻った。
「言わずとも…哀音には、私が1番感謝してるわよ……」
「私がどうしたの?」
「あ、哀音!なんでもないわよ、別に。」
「そう?」
「えぇ…」
「あなたになにかご褒美をあげなきゃって話よ」
「…霊夢、急に優しくなった?ちょっと怖いよ」
「うるさいわね。そういうのは素直に受け止めなさい。何がいい?」
「私は……」